今月の会員企業のご紹介
2007.12.18
株式会社 山澤工房
かばんの総合病院
株式会社 山澤工房
株式会社 山澤工房
代表取締役 山澤 信一
専務取締役:山澤 高明
所 在 地:神戸市北区有野町有野3919-1
創 業:昭和54年7月19日
従業員数:38名
●事業内容及び企業の沿革
昭和54年、私が36歳のときに、神戸市東灘区で旅行用かばんのレンタル業を始めました。販促用のチラシや飛び込み営業をして繁盛しましたが、10本のうち3本が破損して返ってきました。最初はメーカーに修理を依頼していましたが、たまたま手先が器用だったので「自分で修理してやろう」と思い、いろいろ研究や創意工夫をし、自力で修理方法を確立しました。旅行会社や運送会社、保険会社からかばんの修理依頼が入りだして、今では「山澤工房さんならどんなかばんでも直してくれる!」と言われるほどの『かばんの総合病院』になりました。
●業界の状況、外部環境の変化とその中での対策
同業他社は沢山ありますが、ハンドバッグからスーツケースまで総合的に修理できるところは当社だけです。修理依頼のかばんは毎日80〜100本ほど入ってきます。海外旅行が伸びているので修理の市場も伸びているのですが、旅行業界は世界の異変に左右されやすく、9.11テロやSARSの時には海外旅行が激減し、当然修理品も少なく、1日3〜5本という有様が続きました。世界の異変に左右されず、国内で安定的に修理するためにハンドバッグ修理の研究開発をしました。全国の百貨店に飛び込み営業をかけ、やっと枚方の百貨店に理解していただき、チラシで事前告知をしたところ、1週間で500本もの修理依頼がありました。販売にも力を入れており「3年間の無料修理券付き」といった得意技術を生かしたネットショップも展開しております。
●社内での修理の研究開発勉強会
かばん等の素材は時代と共に変わるため、修理の研究開発は永久にし続けなければならないと思っています。以前は私が研究開発していたのですが、今は社員が自分で創意工夫した修理技術を後輩に伝えています。ホームプロジェクターを使って勉強することもあります。
一人前の職人になるまでは3年くらいかかります。万が一失敗しても大丈夫なように廃棄するかばんや、ネットで買取った中古かばんを修理させるという形で次の職人を育成しています。
●「ガイアの夜明け」の裏話
若干26歳の女性ディレクターとカメラマン、音声担当の3人が、東京から来て『みのたにグリーンスポーツホテル』に5日間泊まり込み、朝9時から夜の9時までの密着取材で、感動的なドラマ仕立てにしてくれました。 中国へ修理用のパーツの手配に行くところも取材したいとの要望でしたが、中国の工場の撮影許可が下りなくて行けなかったのが残念です。
●経営指針成文化セミナーに参加して
第33回経営指針セミナーに参加するまでは超ワンマン経営で、社員が 生意気な事を言ってきたら「ジャカシー!(やかましい)黙ってワシの言うとおりしろ!」と一喝していました。「これじゃーあかんなぁ」と思っていた頃、 経営指針成文化セミナーに参加して、丸山先生の講義を聞き、五体が引き裂かれるような衝撃を受けました。それまでの私の自負心なんかどこかに吹っ飛びました。セミナー後は180度ガラッと気持ちを変え、丸山先生にチェックしてもらいながら、若くても技術力の高い従業員を修理部門のリーダーにしたり、業務改善委員会をつくったりと、 若い子の意見を聞き、具体的に実行するように任せています。同友会や丸山先生に出会えて経営指針成文化セミナーに参加できたことが「山澤工房の夜明け」につながったと感謝しています。
●今後の展望
保険会社への営業などトップセールスは私が、修理の現場は若い子たちにバトンタッチして、デリバリーと修理をセットにしたサービスや、街の修理屋さんやリフォーム屋さんとタイアップし、窓口になってもらい受注の拡大を図ります。またネット販売やITシステムの構築など若い子たちのいろいろな発想を実現化していきます。
●取材後記
人気テレビ番組『ガイアの夜明け』に登場された山澤工房さんに訪問できるとあって、ワクワクしながら修理工場を歩いていると、社内で出会う事務員さんや緻密な作業をしている職人さん全員が目を合わせて笑顔で挨拶してくれたのがすごく嬉しかったです。あと「それは無理やろぉ」って、思うくらい破損したスーツケースが、みるみる修理されていく職人技に大感動でした。経営指針成文化セミナーで社長が変わって、社内の雰囲気も変わっていく山澤工房さんに経営指針の大切さを学びました。
文責 川崎 恭雄/株式会社 いづよね

