会員企業訪問

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株式会社タケベ

株式会社タケベ|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)株式会社タケベ|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)

会員名  

 

武部 陽憲

所在地  

 

兵庫県西脇市上比延町88-9

創業   

 

昭和51年1月

設立   

 

昭和59年8月6日

事業内容 

 

建設・庭工事業、水路補修・草刈事業、鉄筋溶接継手施工事業

従業員数 

 

8名

公式サイト

 

http://www.kabutakebe.com

入会年月

 

2005年7月

事業内容及び企業の沿革

株式会社タケベでは、民間の外構、造成、新設工場や建築工事の基礎などの土木、建設業と鉄筋の溶接継手を行われています。お祖父さんが創業され、先代のお父さんが会社を設立されました。お父さんは丁度バブルに乗って公共工事を主体に広めて来られました。そして陽憲さんが15年前に3代目として社長に就任され、現在は地元を中心とした建設会社として活動し、今に至っているそうです。

業界の状況、外部環境の変化とその中での対策

会社を継いだ当時は、売り上げの9割が公共工事でしたが、年々売り上げは徐々に下がり、自民党政権が変わったころから公共事業の需要は激減したそうです。現在、公共工事については新たなものを作る時代から、今あるものを直して使う方針に移行されています。その中での対策として原点に戻り、民間工事を中心に工事をされています。「あったらいいな」から「困ったことに対する取り組み」を中心に「小回りのきく会社」「かゆいところに手が届く会社」として地元ならではの対応できる会社として活動されています。今では売り上げの8割が民間需要となっているそうです。しかし、年々工事内容が変化しており、今後も未来を見据えてどう変えていけるか、持続性のある事業をどう行うかという事が急務となっているということです。

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現在取り組んでいることについて

ある事例で、一般のお客様に何か困っていることはありませんかというアンケートをされました。すると、「草に困っている」という声がほとんどだったそうです。少子高齢化が進んでいる田舎では、草の守りも日常生活に支障をきたす程、大変な作業となっているということです。そんな中で、陽憲さんとして何か役に立てることを考え、シンプルに人力、重機との併用で草刈りをする「草刈り代行サービス」を始められました。また、農業用水路の補修のニーズも少しずつですが増えているそうです。農地水環境補助事業という農業用水路の保全、補修を目的に進められているこの事業では、補助金をもらうために年に数回の勉強会を行わなくてはいけません。地元の方々が自分たちで補修出来れば安価で行う事ができます。そこでプロの道具とプロの材料を使ってノウハウを知れば地元の方たちに喜んでもらえるのではと始められました。講師料は無料ですので人からは笑われていると思うと言われる陽憲さんですが、まずは会社を知ってもらうことと、喜んでもらえることを目的に置いているそうです。結果、人前で話すことや人に説明するという練習にもつながり、自分自身の成長にも繋がっているようにも思われているということです。

社員に対して

現在、社員は6人、パートは2人で、従業員には、自分をつくらず素直に接していくことを心がけているそうです。失敗して言い訳しても相手には判るので、自分らしさを持って接する、嘘をつかないということを同友会でも学んだそうです(笑)そして、今後は社員寮を作り、若い人材確保にとりくみ、昔の大工さんの丁稚奉公のような形を取り入れていきたいと考えられています。若い人とも、お互いに覚悟を決めて取り組み、田舎だということからコミュニケーションをとるにも昼間だけでは時間が少なすぎると考えられたことが理由です。

同友会への想い

もし、同友会に入っていなければ、まず今の会社は無かったです。私自身も井の中の蛙で、感謝しています。同友会の皆さんは業種は違うけれど仲間であり、お互いライバルです。以前、自分が支部長になったとき、自分の器を知り、恥ずかしさを知りました。同友会からは、大いに刺激を受けました。会社を継いだ当初は、何とかなるのではないかと思っていましたが、なんとかなりませんでした。自分は、何をしなければならないのかを問いかけ続け、自分から動かなければなにも変わらないことも気づかせてくれました。気づきを戴いたのが同友会でした。

今後の展望

先代の社長の作られた経営理念は「未来の環境作りに貢献する」で、環境とは、自然環境を思い浮かべますが、地域、生活、人生、全てに当てはまるそうです。陽憲さんは、その未来を作るために会社があるのだと気づいたときに、地域に生かされているのだと考えられました。今後は、地域に貢献できる未来をどう作り、いかに地域に必要とされるか。陽憲さんが、今存在するのはなぜか、お客様に喜んでもらう、従業員さんに喜んでもらう、そういう喜びをどう作っていくか、いかに魅力を作れるかを考え、社員さんが我が子に自慢できるような会社を目指して作っていきたいということです。

編集後記(取材の感想)

武部さんは地元の方に喜んで頂くために会社を地域の方の書道や絵画の展示スペースにしたり、年4回、7月の「七夕まつり」や10月の「収穫祭」など自社イベントを企画し、地域の方々に気軽に立ち寄って頂く場、身近に感じて頂く機会を多くもつ取り組みをされています。地元の方に喜んで頂いたり、新事業の草刈りや用水路の補修、勉強会など、お困り事を解消する取り組みなど、今回色んな広報活動のかたちがあることを知りました。まずは、地元の方に喜んで頂き、何かあったときに「そうだ!タケベにきいてみよう!」と思い出し、気軽にきける会社にしたいと語る武部さんは取材中、満面の笑みでした。

北播支部 広報委員