会員企業訪問
VISIT
会員名
廣田 有一（代表取締役）
所在地
兵庫県明石市藤江2028-12
創業
明治40年
設立
昭和54年
事業内容
包装資材・日用品・紙・衛生用品の卸
従業員数
14名
公式サイト
事業内容及び企業の沿革
明治40年の創業当時はシダ細工やかごの製造を行っていたが、時代の流れと共に製造業から仕入をして販売する商社形態に移行され、主に市場や商店街の魚屋や八百屋、小規模小売店などが主要なお客様でトレーを中心とした容器・袋などの包装資材全般を販売されてきました。今年で創業110年になりますが、お客様のニーズに合わせ取扱商品を増やし現在では約20万点の商品提供が可能とのことで、ワンストップ型の商売を強みとし、お客様の細かなニーズに応える地域密着型企業として歩んで来ています。
業界の状況、外部環境の変化とその中での対策
近年外部環境は大きく変化し、大手スーパーなどの進出に伴い荒木商店のお客様である小規模スーパーや一般小売店が淘汰され、市場や商店街の賑わいもなくなっていく中で、10年先20年先を見通し介護施設や病院などを中心に営業を仕掛けた結果、現在では明石市内の介護施設に関しては90％以上のシェアを誇るまでになっています。しかし、全体の景気としては、ネット販売などが伸びており厳しさは増すばかりで、商品以外での差別化が必要と実感し、お客様の在庫管理、商品の陳列・整理、納品時に発生する空き箱の回収や、定期的に開催する衛生講習会などサービス面で付加価値をつけ、手間を惜しまずに大手企業にできないことをやることで、更にお客様に選んでいただける会社を目指しているとのことです。次の展開として、飲食店と話をされており食洗機用洗剤など専門性の高い分野で他社との差別化をはかりシェアの拡大に向けて進んでいるようです。
現在取り組んでいることについて
昨年から新規事業として国家資格者を雇用し訪問型の医療マッサージをスタートされています。病院と連携し寝たきりや歩行困難の高齢者のご自宅へ伺い関節拘縮、筋萎縮、筋麻痺で苦しむご利用者様の疼痛緩和の施術をしているとのことです。荒木商店の110年の歴史を振り返ると地元明石の方々に支えられここまで会社が存続しているので、これまで育て支えてくれた方々への恩返しも含めお役立ちしたいという気持ちからこの事業を始めたとのことです。今後は介護の分野にも進出し将来的に医療と介護の両分野で高齢者支援を目指しているようです。
社員に対して
「社員の中には、30年以上勤めているベテラン社員もおり、そんな幹部社員を中心に全員が会社を支えてくれている。新しい人もベテランの人も社員はみな家族のように感じています。」と語る廣田社長は、2年前から新卒採用を実施し、これまでなかった「教える」、「育てる」という風土が社内にでき始め、会社の空気が大きく変わったと話します。「これからもアットホームな雰囲気は大切にしたいし、アットホームだからこそ色んな発言ができる。どんな小さな提案も会社にとって良いことなら実施していきたい」と社員の働き易い環境を創ることを常に意識されています。
同友会への想い
5年前にサラリーマンから転身し「経営者の仕事とは？」と考えていたときに、取引先である池本さん（東播支部）に同友会を紹介してもらい経営を学ぶために入会しました。入会当時は支部など関係なく、とにかく色んな行事に参加し「人材育成」「指針書つくり」「組織運営」「共同求人」などいろんなことを吸収していかれました。学んだことを必ず会社で実践することで少しずつ会社が変わってきたと感じられています。その中でも特に「多くの異業種の方との出会いが一番の財産になっている」と語ってくださいました。
今後の展望
既存事業ではいかに付加価値をつけてお客様に提案できるかが重要となっていますが、マーケットが縮小している中で、既存事業以外にも収益の柱となる事業に取り組んで行く必要があると考えられています。医療の事業の拡大を進めながら介護事業にも取組み、将来的に包括的な高齢者支援の仕組みを構築していきたいとのことです。
編集後記（取材の感想）
今回、廣田社長のお話をお聞きし、創業110年にもなる荒木商店を守り、未来永劫、発展し続けるためには、どうすればよいかを真剣に考え、新しい事業等にチャレンジ、実践に移す行動力はすごいなぁ、と思いました。またそれを同友会活動に繋げ努力されている事が素晴らしいと感じました。他にも色々な話をして頂き、社員への思い等を聞き廣田社長の本気度が伝わってきました。私もガンバらなければと振い立たされました。有難う御座いました。
東播支部 中尾 英作（株式会社ナカ建商）
