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株式会社サイドスリー

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会員名  

 

和田 健司(代表取締役)

所在地  

 

神戸市中央区海岸通3番地
シップ神戸海岸ビル13階

創業   

 

2007年10月

設立   

 

2009年1月

事業内容 

 

オープンソースCMS/有償パッケージ
CMSを利用したWebサイト構築
企業サイト/ECサイトなどのホームページ制作及び運営サービス、各種Webシステム開発

従業員数 

 

14名

公式サイト

 

https://www.sidethree.co.jp/

入会年月

 

2009年3月

事業内容及び企業の沿革

2007年10月、元町にあるレンタルオフィスに入居して、小さなデスクと1台のノートPCで創業しました。2009年1月に株式会社サイドスリーを設立することになりますが、新卒で入社したソフトウェア会社「株式会社アシスト」で実践されていた経営指針書「哲学と信念」と経営理念「三方良し」からの学びが、現在の会社経営のベースとなっています。

売上比率は、Webサイト制作が7割、定期メンテナンス(保守や更新作業)が3割となっていて、東京でも積極的に営業活動を展開しています。社員数は14名でデザイナーやエンジニアといったクリエイティブ職が大半。ここ数年即戦力の中途採用もあって、平均年齢は36.6歳で業界の中でも高めになっていることに危機感を感じているそうです。

業界の状況、外部環境の変化とその中での対策

Web制作という業界が誕生して30年弱になりますが、業界は二極化している印象があります。ひとつは「安価・小規模・大量生産」が主体の企業で、サイドスリーとしては、比較的案件単価が高く、中規模以上のお客様が多いため、一定の差別化ができていると自負しています。2015年に「サイドスリー版 ビジョン2020」を発表し、これまでWeb制作の中でも得意としてきたCMS(コンテンツ管理システムのこと。ブログのようにお客様で更新できる機能)構築分野に特化していく方針を立てることで、徐々にお客様層が変わっていきました。

同時にお仕事を直取引からパートナー(代理店)経由に主軸を置いたり、東京を支援できる体制を整えたりすることで、結果として、1件あたりの新規案件規模が5年で4倍ほどになったそうです。

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現在取り組んでいることについて

2019年11月に事務所を移転しました。当初の計画にはなかったそうですが、何気なく訪れたオフィスの内覧で、ドアを開けた瞬間「六甲山系が一望できるフロア」に一目惚れをし、ちょうど「ビジョン2024」を作成中だったこともあったのですが、フロアーに足を踏み入れて神戸の景色を見渡すと「2024年のビジョンが明確になった」との感触を受けられ、すぐに移転を決意したそうです。「広さは2倍、家賃は3倍」という厳しい条件ですが、持ち前のベンチャー魂で乗り越えていきたいと考えられています。

社員に対して

経営理念やサイドスリー基準という行動指針10箇条は、面接の段階で説明して理解した上で入社いただくことを徹底しています。仕事ができる人は独立する人も多い業界。サイドスリーで働くことに喜びを感じてもらえる会社にしていくことが大切と考えているので、社員と向き合う時間をさり気なく仕組み化しています。

月に1回は全社員と目標設定の場(「ステップ1」と呼んでいらっしゃるそうです)を設けて、仕事での方向性や悩みな

どを話し合うのはもちろん「いつも遅くまでありがとう。」など、直接感謝を伝えることができる貴重な機会となっています。

同友会への想い

「経営者との人脈作り」という目的で同友会に入会して一番感じたことは、同友会は経営者同士が本音で語り合い成

長できる場所であるということ。経営指針づくり勉強会や他県や支部内での例会報告などを経験し、会社経営の棚卸しや自分の振り返りができ「言葉で表現すること」「伝えることで得られるフィードバック」などを通じて、同友会と共に自分自身や会社が成長できていることを実感しています。

2017~2018年は同友会活動の大半をお休みして、会社経営に集中しました。同友会で学んだことを実践することで感じた手応えや自信。無計画で新事業に失敗したこと。学びだけではなく実践することの大切さも学んだそうです。

今後の展望

前職(アシスト)と対等なビジネスパートナーになって、当時の社長であったビル・トッテン氏とビジネスの現場で再

会することが個人的な夢だそうですが、数年前からビジネスパートナーとして交流の機会が増えて、一歩一歩着実に前進していることを実感しています。

サイドスリーとしては、2015年に掲げた「ビジョン2020」の最終年となります。定量ビジョンは手応えを感じている一方で、定性ビジョンの実現はもう少し時間が掛かるそうです。

オフィスから見える神戸の景色を見ながら、5年後には新しい三宮駅ビルへ移転できるよう、社員一丸となって頑張っていきたいと抱負を述べられています。

編集後記(取材の感想)

和田さんの「経営者として成長し続け、社員の事を想う気持ち」が凄く伝わりました。業界分析と、自社を成長させる

為の明確な施策も実践し、家賃が3倍以上する事務所移転を即決する大胆さと、冷静で緻密な経営を実践している和田さんに非常に魅力を感じました。

 

中神戸支部 古本 領