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2024年新年のご挨拶

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新年あけましておめでとうございます。

 

2023年も私たちを取り巻く外部環境は緊張と混沌に包まれていました。コロナ禍の出口が見えてきましたが、2022年2月からの終りの見えないロシア、ウクライナ戦争、10月からのガザ地区紛争、また世界経済の覇権を握るための米中貿易戦争、これらにより燃料高、資源高が引き起こされ国内での価格転嫁が厳しい企業は成長が鈍化しています。また一方で円安により一部の輸出型製造業の大企業は過去最高利益を更新、またコロナ禍の中大打撃を受けた旅行関連企業は、中国からの渡航制限がかかっている今でもインバウンド需要により業績が好転してきました。(兵庫同友会の実態:黒字企業53.0%、増収増益32.4%、過去最大売上7.5%、過去最大利益2.8% 2023年6月NTレポートによる)

 

2024年は、世界的な半導体不足も底打ちし景気の緩やかな回復が見込まれてはいますが、依然として物価上昇圧力は高く、消費者マインドの冷え込みが懸念されるほか、少子高齢化による労働人口減少、働き方改革の影響もあり、全業種において人手不足が深刻化しつつあり、各社の春の賃上げ、海外人材制度の改正により一層の人材の流動化が起こり企業としての勝ち組、負け組の差がはっきり出るのではないかと思います。また今年1月に台湾総統選挙、11月にはアメリカ合衆国大統領選挙がありその結果次第で地政学的なバランスが大きく変化するかもしれません。

 

ある調査によると、「利益の源泉」の46%が「外部要因」(為替変動、地政学的リスク、パンデミック、消費動向等)、16%が「事業領域」(市場の規模・成長性、収益性)、38%が「自社の強み」(経営理念、ビジョン、人材、生産性)の結果がでています。同友会で学び「自社の強み」を伸ばしていくのは私たちの目指すところではありますが、「外部要因」の変化への備えができていなかったり、自社の「事業領域」の不断の見直しと選択を過てば継続的な利益の創出は厳しいことは自明の理です。ましてや、「自社の強み」を磨く努力を怠れば持続的な企業の成長は昨今の激変する外部要因の中では大変厳しいと言えるでしょう。そのために、トップが外部にアンテナをはり「事業領域」を見極め常にRebuild(再構築)し、そして経営指針の実践を通して、「自社の強み」を社員と共有し自社を常に新しいステージへ引き上げていかなければなりません(GrowUP!)。また企業価値という視点から見ると、一つ目は「事業領域」とは「他社と違うことが考えられ」、「他社と違うことができること」に価値が生じるもの(差別化戦略)、そして二つ目は同友会の掲げる経営指針の実践を通して差別化戦略を持続的に担保できる普遍的な手法(経営品質の向上)、この二つのミックスアップにより企業価値が向上していくのだと言えます。

 

その両方を共に学びあえるのが私たち中小企業家同友会の強みです。同友会理念のもとに集う信頼のおける企業経営者と本音の話ができ、事務局任せではなく会員自らが主体的に運営に関わり組織づくりを学び、互いに切磋琢磨できる場としての兵庫同友会を今年も皆様と築いていきたいと切に願います。わが兵庫同友会は昨年12月理事会において2296名の過去最大会勢となりました。12年連続会員数純増の「勝ち続ける組織」において役員を引き受けて下さっている会員の皆様は、社業が忙しい中、時間を割いていただき大変ではありますが、この同友会運動の中で組織づくりの要諦とリーダーとしてのあり方をぜひ自社に持ち帰っていただきたいと思います。各ブロック、支部、委員会、部会、全県において、またオール兵庫等の県行事において各リーダーがどう組織を構築し、目標を明確にし、会員を巻き込み、組織を醸成していくのかを体感していただき自社でも展開していただきたいと願います。

 

2023年度も残りわずかとなりましたが、兵庫同友会は“Rebuild!2023”のスローガンのもと、次のステージに向けての様々な事業の実施と再構築を続けてきました。支部では11支部中7支部が過去最高会勢の達成、過去最大参加者数で開催されたオール兵庫、外部連携委員会によるコロナ禍で中断していた連携信用金庫や連携大学との具体的な取り組みのスタート、甲南大学との新たな連携協定締結に向けての活動、兵庫県・神戸市との行政との懇談会に続けて、兵庫県下の各市長との意見交換会の実施、同友会事務局の拡充の決定、各支部、各委員会の真摯な取り組みのもとVISION2025で掲げた目標を量的にも質的にも発展深化してまいりました。しかしながら会員企業の「社員数5名以下40%」、「売上高1億円以下46%」の実態に寄り添った学びの場となっているのか検証しなければいけません。また時代の変化や制度・仕組みの変化に対応することが求められる中で、事業承継、SDGs、兵庫県をはじめとした認定制度等の支部例会、ブロック会、委員会で取り上げることのできていない経営課題については、来期以降も正副代表理事会、事務局主導で勉強会、セミナー等を企画すべく検討中です。

 

そして今年度はインボイス制度の導入を発端に、兵庫同友会は現在の任意団体から一般社団法人の設立に向けての準備をスタートしました。現在、社団法人化にあたっての定款や規定、財務制度の整備を進めています。今月からは、Doyu Hyogoなどを通して何のために一般社団法人化を進めるのか、会員皆様にとって何が変わり何が変わらないのかをきちんとお伝えしていきますのでご理解とご協力よろしくお願いいたします。

 

最後に、兵庫同友会のさらなるステージアップのために、私たちの組織再構築の検討を2024年度からスタートいたします。具体的には4月以降「同友会づくり検討委員会(仮称)」を組成し約2年かけて私たちの組織のあるべき姿を検討し構築する予定です。そして将来的に兵庫同友会が3000名の会勢になった時にも、所属する支部等の組織の大きさに関わらず均質な学びの機会が提供できるよう、また運営においては会員に負担が少ないよう、そして地域行政との関係で有効である組織体を目指します。

 

同友会理念「同友会の三つの目的」の「よい会社をつくろう」の原文は、「同友会は、ひろく会員の経験と知識を交流して企業の自主的近代化と強靭な経営体質を作ることをめざします」です。2024年も兵庫同友会の活動の中で、中小企業家としての誇りと使命感を持ち、強靭な企業を共に目指していきましょう。