投稿者:(株)経営人事教育システム 下山学(神戸中央支部所属)
思い込みという固定観念からの脱却・・・・「いまのままでは、うまくいかない気がする」
このように仕事でもプライベートでも、現状に対して漠然と不安と疑念を抱く人は大勢います。
しかし、現状の何がダメで、それをどう改善すればいいのか、具体的に分析できる人はあまりいないのではないでしょうか。また、仮に分析できたとしても、その改善のために頑張ろうとする人は減り、それをPDCAサイクルに落とし込んで、様々なしがらみを乗り越えながら改善を続けられる人や組織は少ないのではないでしょうか。それは、PDCAは仕事を進めていく中での基本といいながらも奥深さを経験すると思います。
PDCAをなぜうまく回すことができないのか? 原因を考えてみることにしましょう。

PDCAサイクルをうまく回せない原因と理由について考えてみます。
・PDCAをわかったフリをしてる・・・簡単だとおもっていないだろうか?
PDCAを回したことがある人はおわかりかもしれませんが、PDCAを回すことの奥深さや難しさを経験していると思います。
PDCAは、そのPDCA自体も進化していくものであって終わりなどないですし、回していくたびにサイクルの数も増えてきます。
・管理職・リーダー向けのフレームワークだと思っていないだろうか?
PDCAは対象を選ぶことはないです。若い世代でも、日々の時間の使い方やプレゼンの技術を高めたり、人脈を増やしたり真剣に回すべきでしょう。
・失敗するのは「C」のチェックが甘いのでは・・・・
「仕事を進めるにあたって計画は誰でも立てるし、実行できる。ただ定期的な振り返りをしないからやりっぱなしになって、結果的に同じ失敗を繰り返したりするんだよね」
PDCAという言葉を聞いて、検証することが億劫になる人も多いのではないでしょうか。もちろん検証なき計画と実行では、PDCAは成立しません。
ただ、そうした人たちに限って、実は計画の段階であいまいな計画しか立てておらず、その結果振り返りがしたくてもおおざっぱな検証しかできていないケースがほとんどです。
改めてPDCAの基本を考えてみることにしましょう。
PDCAの「P」・・・ 計画 / Plan
山に例えるパターンが多いので、そのまま山で表現してみます。
まず最終的に到達したい山頂を決めます。山頂、すなわちゴール。目的地を決めないと何も始まりません。そしてPDCAサイクルのゴールはできるだけ具体的であるべきです。定めるゴールは「いつかできるだけ高い山に登る」といった曖昧なものではなく、「1年後の今日、あの山の山頂に立つ」というくらい明確にすべきです。
なぜならゴールがはっきりすることで現在地とのギャップが明確になり、ギャップが見えれば自分がこの1年間でなすべきこと、すなわち数々の課題や取るべきルートが見えてくるからです。「課題」が見えたらそれを解決するための大まかな方向性を考える、そこまでやって計画は終わるのです。
PDCAの「D」・・・ 実行 / Do
計画の段階で「課題をクリアするための解決策」が見えました。
実行の段階では、解決策を複数のアクションに分解し、さらにアクションを具体的なタスクレベルに落とし込んで、ひたすら実行に移していきます。PDCAのDでは、アクションからタスクへの具体化を、なるべく迅速に行うことが重要です。
例えば、山を登るのに持久力をつけないととか山の登りの経験者を探さないとといったアクションの粒度でいくらわかっていても、日々の生活に追われていたり、単純に乗り気ではなかったりするのであれば、なかなか実行に移せません。ましてやゴールが1年後であればなおさらです。
人は明確な基準が与えられない状況下では、常に「気楽さ」と「緊急性」の2つの基準だけで行動を決めてしまいがちだからです。
しかし、それらの抽象的なアクションを「毎日、決まった時間に起きてランニングあるいはウォーキングをする」「風呂上りに1時間ほどネットで経験者の話題を探す」といった具体的なタスクとして自分のスケジュールに組み込む、やらざるを得ない状況に自分を追い込むことも必要になってきます。
PDCAの「C」・・・ 検証 / Check
計画で考えたルートも課題も解決策も、さらには実行で考えたアクションやタスクも、実際には仮説に過ぎないのです。いまある情報のなかで考えられる最適解にすぎないからこそ、それが最適解であるかどうかの定期的、かつ頻繁な検証が必要になってきます。
検証しなくても実行のサイクルは回り続けます。PDCAサイクルというと、Pから順番にくるくる回すものだと単純化して理解している人がいますが、実際のPDCAサイクルは、いざ最初の計画を立ててしまえば、そのあとは実行し随時検証や調整をかけ、場合によっては計画を修正するものだと、よって検証をしなくても最初に計画を立てたのだからなんとなくゴールするよといった思いこみが多くあります。
PDCAは、こまめに検証を行う事で、行動実行のムダを減らすことができるのです。
実行の際は自分の仮説に自信がないと、せっかく目標を立ててもモチベーションが上がらず中途半端な結果に終わりかねない。だから実行時は自信を持つことが重要になってくるのです。
その一方でPDCAの検証をするときは自分の仮説を疑う客観的な目線で、もっと効率的な方法はないのだろうか?とか他にやるべきことってないのだろうか?見えていない水面下での課題が潜んでいるのではないだろうか?など自分に問いかけをすることも大切です。
PDCAの「A」・・・ 改善 / Action
検証結果を踏まえて改善策を考えていきます。大きく3つの改善策を見てみることにしましょう。
一つ目はゴールレベルの改善です。
情報収集と自分の現状を検証した結果、目指す山を変えたり、目標の期日を先延ばししたりするケースです。このケースは現在のPDCAは中止で新たなPDCAが回り始めるというケースです。このように、PDCAを回していると新たなPDCAが回り始めることはよくあることです。
二つ目は、計画レベルの大幅な改善です。今まで見えてこなかった課題が顕在化したときです。このケースは、情報収集を一から始めて解決策を検討しないといけないのでPDCAサイクルの速度は一旦遅くなるのです。
三つ目は、解決策や行動レベルの改善です。これは実行の微修正になります。大筋の計画は変えずに、やることの優先度を変えたり、方法をブラッシュアップしたりしながら、軌道修正を図る方法です。
同友会をはじめとして、様々な学びの場では「PDCAサイクル」という言葉をよく耳にします。しかしPDCAの基本や改善方法については、なかなかすべてを理解できていないという方も多いのではないでしょうか。
ひとつひとつを分解(具体化)していく。そしてこまめに振り返る。
その積み重ねにこそ、改善が生まれるのだということに気付いていただければ幸いです。
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