投稿者:(有)前川企画印刷 西端 康孝(西神戸支部所属)
広報をしていく、経営理念を伝えていく、想いを伝えていく。
中小企業経営者にとって、自分の言葉で発信することが重要であるのは、言うまでもないことでしょう。発信の重要性が分かっていても「伝える」ことが続かないのは、幼少のころから強いられた作文教育によって、かえって苦手意識が植え付けられてしまったことも原因のひとつとして考えられそうです。
作文が苦手な方には、名文をシャワーのように浴び続けることがオススメ。簡潔な言い回しやリズム感を音読で体感して、真似てみる。その習慣を繰り返すことで、すこしずつ、自分の言葉で伝える躊躇いが消えていきます。
そこで今回は、日本の新聞各社が綴る社説(コラム)を読むことのできるiPhoneアプリたて書きコラムを紹介します。

たて書きコラムは、日本中の新聞社が綴る社説(コラム)を縦書きで表示してくれるiPhoneアプリ。新聞各社のサイトに掲載されているコラムを、毎日、自動で更新してくれます。
アプリ内にインストールされてあるフォントで、各社のコラムを美しく表示。また音読機能もあるので、言葉のリズムを聴覚で感じてみるのもオススメです。

字数が決まっている新聞の社説(コラム)。
決められた字数のなかで読み手に疑問を抱かせず、反論を許さないようにするために、「このあたりまでが起承」「ここからが転」、そして「結」というリズム感のある構成になっているのは注目してほしいところです。
もちろん、すべてのコラムに「転」があるわけではありません。ただ、「転」のパートで、反論や疑問の余地に言及しておくことで、穏やかな主張となり、多くの共感を得やすい文章になっていることは私たちも真似をしたい表現技法のひとつですね。
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ちなみに、この文章も「転」を入れることで、「ほんまにすべてのコラムに起承転結があるんかー?」という反論を封じています。
もうひとつ、社説(コラム)を読むうえで意識してほしいポイントがあります。
それは文章の語尾が一定ではないということ。「う」の口のかたちで終わる動詞で終わった次は、名詞で終わっていたり、「い」の口のかたちで終わる形容詞で文章が止まっていたりすることが分かります。
天気予報を思い出してみると良いかもしれません。
兵庫県北部、晴れ
兵庫県南部、晴れでしょう
大阪府、くもり時々雨
京都府、雨になるでしょう
このように、語尾の品詞をバラバラにすることで、聞いている人が飽きない工夫をしています。
語尾を単調にするのではなく、品詞を上手に散らしていく。読み手(聞き手)はリズムを感じながらメッセージを受け止めてくれるので、結果的に、印象に残りやすい文章になるのです。
いかがでしょうか。
動詞、名詞、形容詞を交互に使うのですよー、という書き方をすると、授業のようで眠くなってしまいます。あえて「う」のかたち、「い」のかたちと、口の形を意識してみる方法でご説明しましたが、その真意は伝わりましたでしょうか。
今回の記事も、実はすべて、文章の語尾がバラバラになるように書いてみました。お気づきの方もお気づきではなかった方も、ぜひもう一度読み直してみてくださいね。
苦手だった作文。読書感想文。
そんな苦手も「ちょっとした」技を覚えるだけで、楽しくなっていくかもしれません。まずは読むこと、名文のシャワーを浴びること。そして自分でも真似をしてみること。自分の言葉で伝えていく価値を、そんな習慣から気付いていただければ、こんなに幸せなことはありません。
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