会員企業訪問
VISIT
会員名
上野 一人(代表取締役)
所在地
神戸市東灘区深江南町4-7-3
創業
昭和27年7月
設立
昭和37年10月
事業内容
貸おしぼり業
従業員数
70名
公式サイト
http://ueno-corporation.com/index-2.html
入会年月
2010年9月
事業内容及び企業の沿革
1952年 創業
1962年 設立
1965年 ピエロ本舗商標許可
1966年 貸おしぼり業開始
1972年 社名変更:株式会社上野商事
1986年 紙おしぼりの製造開始
1989年 加古川で工場稼働
2001年 メディカル事業開始
2008年 上野一人氏 社長就任
2010年 同友会入会
業界の状況、外部環境の変化とその中での対策
業界の現状としておしぼりの業界は縮小傾向にあります。国の調査では、飲食店の数自体は年に3%ずつ増えているそうですが、昔ながらのおしぼりを使う喫茶店などではなく、ファストフードなどおしぼりを使わない業態のお店が増えてきています。また、布おしぼりから紙おしぼりへの転換も増えていき、今までと違いライバルが大手資本の製紙会社に変化してきました。
結果、紙おしぼりは技術の進歩もありますが、どんどん安価に進化し価格競争が激化しています。
そんな中、しっかりした製品や高級なおしぼりを使いたいお客様に焦点を当て、選んでいただけるような製品作りを行っている。「兵庫県で一番高いおしぼり屋」と上野さんは仰っており、価格が「高い」というだけではなく、品質が「高い」、対応力が「高い」など当たり前のことを当たり前に行うことによりお客様の心を掴んでいます。また布おしぼりに関しては使用後、回収する必要があるので、大手資本が参入せず、地域密着型なのも強みである。
現在取り組んでいることについて
大手チェーン店などは安いおしぼりを求めているが、すべての飲食店がそういうわけではない。ネットなどで調べても検索の上位に上がってくるのは、紙製の安いものばかりで、お客様の思うようなグレードのおしぼりを見つけることが難しいです。上野商事ではその部分に着目し、シチュエーションに合わせたおしぼりを紹介している。
また飲食店だけではなく、カーディーラーや催事、イベント用などカラフルなパッケージで、おしぼりだけで「おっ!」と思わせるような製品もあります。
また、社長自ら新製品の開発にも取り組み、海外に輸出しても品質が保持出来るようにするにはどうすれば良いか。コンテナの中でも影響がないか。など試行錯誤を繰り返しています。
社員に対して
「役員含めほんとうに良くやってくれている。」と語る上野さん。社内で研修するようになってからは、社員自ら考えて行動するようになったとのこと。社員の頑張りのおかげで売上は徐々にではあるがあがってきている。しんどい仕事もあるとは思うけれど、自分で楽しさを見つけてほしい。
また、障がい者雇用を取り入れており、仕組みが確立するまでは時間がかかったが、「重度だから簡単な仕事」ではなく、「この人はこれが得意だからこの仕事」といった個性に合わせて仕事を任せる事により業務がうまくいくようになりました。現在では、ほとんどの製造業務を依託しています。
同友会への想い
苦しく悩んでいた時期に「もっと勉強せなあかん」と同友会に入会し、様々な人にお世話になったといいます。所属の支部行事だけでなく、青年部や他支部の例会、そして経営指針やMG、県の委員会など参加出来る行事は全て参加していたそうです。
その中で多くの手法を学んだが、一番は「人とのつながり」だそうです。自分の思いはなかなか人に伝えることは難しいが、その思いをいかに相手に伝えるか、その重要性を様々な場面で教えていただいたと思います。
今後の展望
おしぼり業だけではこれから先の展望は厳しい時代になっていきます。そこで新しいサービスや新商品で他社との差別化を行い、収益を上げていく。しかし会社の規模を大きくするのが目的ではなく、どの様な外部環境にあっても利益を出せる強い会社を目指し、そこから経営指針書や社内研修などを行いながら、社員全員で意思決定していける会社を目指しています。
編集後記(取材の感想)
初めて上野商事さんに訪問させていただきましたが、仕事や社員に対する想いや関わり方など、参考になることがいっぱいありました。最後はお昼時ということもあり、芦屋の美味しいカレー屋さんを教えて頂きました!上野さんとこのおしぼりは出てきませんでしたが…。笑
兵庫支部 広報委員