投稿者:ユニバー社会保険労務士・行政書士事務所 中道 三喜男(兵庫支部所属)
労働者災害補償保険(労災保険)は、従業員を一人でも雇用している限り加入が義務づけられています。
業務上の理由によって生じた怪我や病気を給付を行うのはもちろん、会社への行き帰りなど通勤時の補償・給付を行うことも特徴の一つです。さて、では、従業員が会社からの帰り道の途中で寄り道をして怪我をした場合はさてどうなるのでしょうか。
寄り道といっても色々ありますが、帰りに会社の近くの小料理屋で一杯というケースや横断歩道を渡ったスーパーで買い物といったケースが考えられます。さてこの二つのケースにおいて怪我をした場合は?
法律では、通勤災害における寄り道について次の二つが書かれています。(要旨です)
一つ目:逸脱・中断の間及びその後は通勤としない。
二つ目:逸脱・中断が、日常生活上においてやむを得ない理由で最小限度のものである場合は、逸脱・中断の間を除きこの限りでない。
逸脱・中断とは、平たく言えば寄り道のことですね。
つまりは、寄り道途中の怪我、これはダメ、寄り道した後にいつもの通勤経路で怪我をした場合、これはある程度労災として認めますよということのようです。
上の例でいえば、小料理屋で飲んでいる最中やスーパーに買い物するため横断歩道渡っている最中、これはダメになりそうです。
また、寄り道して小料理屋で飲んだ後いつもの通勤経路で怪我をした場合、これも日常生活上やむを得ないといいにくいのでダメになりそうです。
また、寄り道してスーパーに寄った後にいつもの通勤経路で怪我した場合は、日常生活上やむを得ないといえそうですので、通勤災害の対象になりそうです。

さて、労災保険の対象になった場合、いくら貰えるのでしょうか。
まずは休業の補償として、休業基礎日額の80%が貰えます(休業特別支給金20%を含んでいます)
また、怪我が重度の場合は、給付基礎日額の最大313日分の年金がもらえます。
万一死亡した場合は遺族に最大245日の年金がもらえます。
以上にように労災保険の補償はかなり厚いといえます。
最後に今回判例を拾ってみて感じたことは、お酒を飲むのも仕事の一環で、なかなか断れないものですが、お酒を飲んだ後の事故は、原因として“飲酒酩酊がかかわった”と取られて労災として認められないケースが多いようです。
「家に着くまでが遠足です。」ではないですが、会社帰りに一杯飲んだ後は特に気をつけて帰りましょう。自戒を込めてですが・・・
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