東播支部 髙橋 保男さん(みそら税理士法人)
こんにちは。同友会東播支部所属のみそら税理士法人の髙橋保男です。
中小企業経営において最も重要なもの、それは「キャッシュ(現預金)」です。
黒字倒産という言葉があるように、帳簿上の利益が出ていても、手元のキャッシュがなくなれば試合終了です。
経営者の皆様には釈迦に説法の内容ですが、キャッシュを増やすためのセオリーを確認していきましょう。
「売上を伸ばす」ことはもちろん重要です。しかし、売上を計上しても代金を受け取るのが遅れれば、その間の立替支払い等がかさみ、キャッシュが不足する原因になります。
「手形60日ルール」も浸透しつつあり、請求から入金までの期間(=回収サイト)を短縮できないか取引先と交渉してみましょう。特に新規の取引先とは、はじめから短めの支払条件を提案することも大切です。
逆に、自社が仕入先や外注先へ支払う際には、できるだけ「支払いサイト(支払期限)」を長くとることで、キャッシュの余裕を作ることができます。
ただし、過度な支払延期は信用を失う原因になりますので、あくまで交渉可能な範囲での見直しが必要です。
最近ではカード払いやファクタリングなども活用され、支払いタイミングの柔軟化が進んでいます。
在庫を持つということは、キャッシュが「物」に変わっている状態です。動きの悪い在庫が多ければ、それだけキャッシュが倉庫に眠っているとも言えます。
仕入や製造のタイミングを調整することや、実地棚卸の頻度を上げることで、在庫を必要以上に持たない体制を目指しましょう。
在庫管理を見直すだけでも、意外なほどキャッシュが増えることがあります。
黒字になった年は「借金を早く返したい」と思うのが人情ですが、返済を急ぎすぎてキャッシュが枯渇してしまっては本末転倒です。
返済を前倒しする前に、いざという時の資金(目安として6か月分の固定費)が手元にあるかどうかを確認しましょう。
金利は企業存続のための保険と考え、借りれる時に借りておき、手元キャッシュ(またはそれに準ずる資産)を潤沢に持っておきましょう。
最後に、キャッシュを増やすためには「数字を読む力」が欠かせません。
月次の資金繰りや将来のキャッシュフローを把握するために、顧問税理士など客観的にアドバイスをもらえる第三者と定期的に打ち合わせをされることをお勧めします。
また毎年、【売上・粗利益・固定費・借入返済・設備投資】の予算を立て、定期的に振り返って検証する時間を確保しましょう。
その際、「借入返済額」と「利益」のバランスを常に確認し、場合によっては金融機関に返済額の緩和等の相談を持ち掛けることも必要かもしれません。
借入本数が多い場合は各返済表を基に、「返済期間」「返済額」「金利」「保証協会付きの有無」「担保の有無」などの情報を一枚のシートにまとめた上で対策を練りましょう。
キャッシュが潤沢にあれば、経営判断に余裕が生まれ、チャンスにも素早く対応できます。逆にキャッシュがないと、どんなに売上があっても不安定な経営になります。
「利益とともにキャッシュを残す」視点で一度、自社の事業計画を見直してみてください。
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