会員企業訪問
VISIT
会員名
宗 泰一(取締役副会長)
所在地
兵庫県淡路市尾崎859
創業
1947年
事業内容
医療用浣腸、一般用浣腸、痔疾薬製造・販売
従業員数
54名(パート15名)
入会年月
2005年4月
事業内容及び企業の沿革
約110年の歴史を持つムネ製薬株式会社は明治39年に薬種商として現地の淡路市尾崎で開業し、昭和22年7月に法人化、主に浣腸と痔疾薬の製造・販売を行っている会社です。戦後より現在の湿布薬の原型のはり薬「万金膏(まんきんこう)」や配置薬を主力商品としていましたが、競争の激化や薬事法の改正などにより現在の主力商品である浣腸薬にシフトし、挿入部の長いコトブキ浣腸L(エル)や日本初となるジャバラ型浣腸「ひとおし」などを開発製造してきました。また一昨年に業界第4位のメーカーが廃業するにあたりそのブランドを継承し、昨年2016年にはOTC浣腸では製造本数シェア30%以上となりほぼ日本一となりました。
業界の状況、外部環境の変化とその中での対策
製造については厚生労働省の管轄下にあり、年々規制や衛生基準が厳しくなっていきそれに対応しなければならない中、対応できない企業は淘汰されていっています。現在業界は地方の100店舗未満のドラッグストアが1000店舗以上の大手10社にどんどん吸収合併されており、その合併の際に合併元で取り扱いのない商品は扱ってもらえません。実質大手10社に扱ってもらえることがメーカーとしての生き残りの絶対条件です。扱ってもらえても他社と同じような商品では低価格競争の中で生き残りを図らないといけなくなるので、企業間の営業・販売競争に勝ち残るランチェスター戦略をかかげ他に真似されない独自製品を開発しブランド化を進めていっています。
現在取り組んでいることについて
社内では“親戚作り”と呼ばれているアンケートハガキを全商品に入れることによりエンドユーザーの意見を取り入れ商品作りや売り方を研究し、「進化する浣腸」をスローガンとし日々取り組んでいます。ちなみにアンケートハガキには返信切手を貼っておらずお客様に負担いただくことにより、そこまでして寄せられた意見は商品に対して真剣なものがほとんどで商品改善や開発の大きなヒントとなっています。アンケート意見の返信の際には負担いただいた切手代はもちろん粗品を添えて送っており、やりとりを通じて多くの自社商品のファン(親戚)作りを行っています。また便秘の治療に錠剤の方が慣れている若い世代の方にもいかに使ってもらえるかというテーマにも日々取り組んでいます。
社員に対して
平成26年度の「ひょうご仕事と生活のバランス企業」として表彰され、「ムネ製薬に勤めて良かった」と思ってもらえる会社にしたい想いを持っています。育児休暇を最大5年間取得できる制度を採り入れたり、毎月一定の売り上げ目標達成でパートさんまで含めて全員に大入袋を支給したりしています。中でも役職に関係なく誰でも社内や業務の改善案の意見を出せる提案制度はたくさん出して欲しい思いがあり、どんな案でも提案すれば一律100円を賞金として支給しています。提案数が少ない月は朝礼で「今月は提案数が少ない」と促すほどで、それにより実際にあった提案で何百万円という作業の効率化を実現したものもあり、社員にも自分の意見が取り入れられて改善してくれる会社だと思ってもらい、より働きがいのある会社にしていきたいと仰っておられました。
同友会への想い
支部長経験者でもある宗さんは、支部長を終えられた後も一会員として同友会活動に積極的に参加されております。同友会でお世話になった恩は同友会で返したいという想いを持っており、「困ったときに聞ける人がいるのが同友会の良さ」と話されたように、質問を受けた人が分からない悩みであっても分かる人までつなげてくれる、これを分かってない会員が多くせっかく同友会に入っているのにもったいないということで入会歴の浅いメンバーを中心に同友会の良さを伝えていっています。
今後の展望
経営方針にも掲げている給与面・福利厚生・休暇等を含めて淡路一の働きがいのある会社だと思ってもらいたいです。それぞれ働きがいの価値観が違うので、それを実現するために一人一人と直接面談し考えていること、思っていることを聞いて一度に全部は出来ないが、出来ることからやっていき「働きがいのある会社」に向かって邁進したいと力強く話していただきました。商品としてはこれまで目標にしてきた“浣腸販売数でシェア日本一”を昨年ほぼ達成したので、次は“ブランド力で日本一”を目指します。
編集後記(取材の感想)
「Give&Take 受けた恩は必ず返したい」お話しいただいた中で印象に残ったこの言葉の通り報告内容からも宗さんや一緒にお話しいただいた西岡社長の人柄や人に対する思いがたくさん詰まった会社だと思いました。1月に取材させていただいたのですが桜の咲くころには皆さんにまたいい報告(新製品)が出来るということなので楽しみです。
兵庫支部 広報委員