会員企業訪問

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株式会社ドウガン

株式会社ドウガン|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)株式会社ドウガン|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)

会員名  

 

岡島 正造(代表取締役社長)

所在地  

 

兵庫県三木市鳥町271番地

設立   

 

昭和41年7月

事業内容 

 

園芸鋏・除草道具製造販売

従業員数 

 

10名(パート2名含む)

公式サイト

 

http://www.miki-doukan.com

同友会入会年月

 

2012年6月

事業内容及び企業の沿革

1966年7月に先代が布を切る鋏の製造を始め、三木市内の金物問屋を通じて全国の小売店に販売、1971年に園芸用の刈込鋏の製造を始めます。1980年代はマイホームブームが到来し金物店からホームセンターへ移行の流れに乗り、庭木の剪定鋏から芝生専用鋏、太枝切付刈込鋏など特許取得しました。またこのころホームセンターなどのプライベートブランドの生産が中心となっていきました。その後、全国の問屋業者から意見や苦情などの情報を集め、展示会などでお客様の声も聴き、それらの情報を基に三木市内の同業種との商品開発やコラボレーションから、現在ではナショナルブランドを浸透させていっています。

業界の状況、外部環境の変化とその中での対策

1990年代金物商品を取り扱っていたホームセンターがプライベートブランド商品を多く販売するようになり、製造及び問屋業者は利益を圧縮されていきます。追い打ちをかけて新興国の商品が輸入されるようになり、生産出荷量が激減し廃業する製造会社が増えていました。そんな時、ある得意先が私にこんな商品を造らないかと持ちかけてくれ、生まれたのが除草鍬「けずっ太郎」です。鋏しか造ってこなかったドウカンとしては、大きな転機であったと思います。鋏にこだわってきたが故に、「切れ味のよい鍬、けずっ太郎」を造ることが出来、それによって実際に商品を使ってくれているお客様の声を聴くことが、こんなにもメーカーにとって大切なことだったと理解できるようになりました。こうして自社ブランドを確立しつつ、お客様の声に耳を傾け、それぞれの作業に特化した商品をひとつ、またひとつと揃えていきました。すると、ホームセンターのプライベートブランド商品の製造は自ずと年々減少していきました。また、国内だけでなくアジア圏の国へも販売ルートが拡大しつつあり、海外でも通用する、喜んでもらえる商品を造っていけたらと考えています。

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現在取り組んでいることについて

お客様から意見やクレームが届くと、できるだけ全国どこでも飛んで行って直接話をし、苦情や意見、アイデアを取り入れています。実際に使用されるユーザーが商品の事を一番よく知ってらっしゃいます。また、それが次の商品開発にも繋がります。商品価値を上げることにもなります。ドウカンのファンになって頂けます。生産をしている社員には、使用して頂くお客様が楽しく作業できるよう、一丁一丁丹精込めて製造するように言っています。

社員に対して

私が入社した28年前の頃は、社員は中途採用の職人が多く、仕事をしながら咥えたばこ、休日明けは二日酔い出社、社内環境も整備されていませんでした。そこで先代社長は、品質を向上させ均一化するため、まずは手作業からの脱皮を考え、機械生産への移行を実現しました。次に若い社員を雇用するため、工場内の環境の整備、新事務所の建築を行っていきました。今は私よりも社歴の長い社員は皆さん退職し、その後に雇用した社員は全員が今も仕事をしてくれています。社員は真面目で、指示したことは最後まで責任を持って行ってくれていますが、次に求める自主的な行動ができる社員になってほしいので、会議や勉強会で知識を伝えています。これからは、昇給も含め給与関係の見直しや、職場の環境整備としてトイレ、休憩室の整備をしていく予定です。

同友会への想い

同友会に入会させて頂き3年が経ちましたが、入会のきっかけは経営指針づくりでした。経営指針の勉強会では自社分析をして強み、弱み、活動領域を考えたときに、経歴を改めて見つめるとその時代時代をけん引してくれた商品があったことに気づきました。作成後は、社長が「何を考え行動しているのかわからない」という雰囲気を解消できましたし、発表した内容を社長が率先し進めて行くと、「赤字会社」から「黒字会社」へ成りました。次は「普通の会社」から「強い会社」にするためにコスト意識を高めて行きます。

今後の展望

創業50年を迎え100年に向けて、国内だけでなく海外のお客様にも喜んで頂ける商品をつくり、提供し続けていくために商品開発や、三木市内の同業種とのコラボ製品開発の強化と共に、インターネットを通じてのPRをおこなっていきたいと思っています。また、次世代へバトンタッチする為に強い会社にすると共に、後継者を育てていくことが社長としての最も大切な仕事と考えています。

編集後記(取材の感想)

金物製品の製造販売会社として、製造部門には「職人」が多く作業しているイメージを持っていましたが、岡島社長の話しを聞き工場見学させて頂くとイメージしていた雰囲気と180度違ったことに驚きました。また、岡島社長の商品開発へのアイデアマンぶりにも驚きました。これからもアイデア商品を産んでいく企業として輝いてほしいと思います。

東播支部 広報委員 藤川智崇