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ワタキ自動車株式会社

ワタキ自動車株式会社|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)ワタキ自動車株式会社|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)

会員名  

 

上田 直樹(代表取締役)

所在地  

 

兵庫県豊岡市寿町11-5

創業   

 

1931年7月

設立   

 

1964年7月

事業内容 

 

自動車整備 新車・中古車販売
ダイハツショップ 鈑金塗装
ブリヂストンタイヤ特約店 用品販売
リース・レンタカー 損害保険代理店

従業員数 

 

18名

公式サイト

 

http://wataki.ecnet.jp/

事業内容及び企業の沿革

1931年、豊岡市元町で現社長の御祖父様・上田要一氏が「ワタキ商会」の屋号で消防ポンプ車の製造を始めて今年で86年です。「ワタキ」の名前の由来は、創業者の父君の名前「渡邊喜四造」の頭文字「渡喜」からです。1960年に社名を「ワタキ自動車商会」に変更、自動車全般へと事業内容を広げていきました。1964年には法人化し、その後塗装ブース建造、中古車展示場開設、リース事業に進出と業態を充実させてきました。2008年に就任した直樹現社長は3代目になります。

業界の状況、外部環境の変化とその中での対策

この地域に限りませんが、人口減、少子高齢化に伴い車両の保有台数が減少、つまりマーケットが縮小してきています。そこで新しい顧客として注目しているのが、実は外国人のお客様です。第一に日本の学校で外国語を教えている外国語指導助手の方たちで、20年前から自家用車のリースを勧めています。外国人専門のリースを扱う店はほぼないので、県内全域はもちろん北は宮城県から南は宮崎県までクチコミで広がりを見せています。今各地の教育委員会にも営業攻勢をかけています。第二にインバウンドのお客様にレンタカーを貸し出す事業です。実は、市内の城崎温泉は飛騨高山に並ぶ外国人に人気のある温泉で、城崎に長期滞在して関西の観光地を訪れる方も増えています。これもクチコミで広がりを見せています。

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現在取り組んでいることについて

ミャンマー人の若いスタッフを2名正社員として雇用しています。彼らにはミャンマーをはじめ東南アジアでの将来の海外事業の中核になる人材に育ってくれればと考えています。もう何回か現地(ミャンマー)に乗り込んで調査をしていますが、昭和40年代のかつての日本のように国全体に活気がみなぎっています。ただ、賃金は安いが土地が異常に高く東京青山並み、事業を興すにあたっての租税公課が高額、等とてもアンバランスです。現地での事業展開のタイミングを見計らいながら、着実に準備を進めています。

社員に対して

2010年から、「良い会社をつくるため」、「日本一の連携チーム」を目指して、7UPという研修会を毎月一回、一日かけてやっています。はじめは社長が問題提起して社員が自分たちで解決していく、という形でしたが今では社員が問題提起から解決まですべて取り仕切っています。自然に仕組みが回り始めたのはこの2年くらいですが、やはり大きかったのは部門長4人の「変わらなければ」という意識改革です。リーダーの意識が変わったことで一気に会社の体質が変わりました。それを強く感じたのは、社長がこの冬デング熱で数週間入院した時でした。実は数年前に体調を崩して1カ月半入院したときは、毎日ひっきりなしに指示、判断を乞うメールが来ていました。その年は売り上げも利益も大幅ダウンでした。ところが、今回は入院中の問い合わせはゼロ、そして売り上げが伸びているのです。やっと社長がいなくても回る会社になったのです。これからは、通常業務については社員に任せ、社長は新規事業の構築に専念できる土壌ができたのです。

同友会への想い

とにかく、この地域でもっともっと会員が増えてほしいです。地域で会員が増えればそれぞれの経営課題を持ち寄って、解決に向けた様々な勉強会もできます。経営上の悩みを語り合える仲間は多いほうがいいのです。「なにより、同友会の会員が増えてその理念が広まってあたり前になれば、“近頃うちの社長、変なことばっかり言うとるんや”という反応はなくなるでしょうね」と冗談交じりに語ってくれました。

今後の展望

これから人口減少の続く日本では、自動車整備業界も外国人労働力がどうしても必要になってくるでしょう。がしかし、従来の一般的な外国人技能実習生制度を活用するのではなく、しっかりと日本語と日本の文化を理解したプロの整備士を育成し、全国各地の同業者に正社員として派遣する事業を起こしたいと力強く話されました。また、これからは自社のことだけ考えていては存続さえ危うい。そこで、例えば業務ごとに分社化して他社との業務提携をしやすくし、業界自体が残れる仕組み作りにも取組んでいかないといけないと話されていました。

編集後記(取材の感想)

今回は上田社長の計らいで、特別に7UP(社内研修会)に参加させていただきました。社員さん手作りの昼食(絶品の餡かけそば!)を頂き、その後打楽器で“グルーヴ”を体感。研修での活発な意見交換からの昼食の準備では和気藹々とした雰囲気が初対面の私たちまで和ませてくれました。そしてグルーヴでは、人の音を聞いているようで聞いていない自分に気付いてしまったりと私にも学びの多い一日でした。上田社長、そして社員の皆さん、ありがとうございました。

北はりま支部 広報委員