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PORT STYLE株式会社

|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)

会員名  

 

水木 秀行(代表取締役)

所在地  

 

神戸市中央区江戸町100番地 高砂ビル5F

創業   

 

2004年9月

事業内容 

 

店舗販売・インターネット通販
(帽子・服飾雑貨)

従業員数 

 

45名 パート・アルバイト150名

公式サイト

 

 

入会年月

 

2007年2月

事業内容及び企業の沿革

アパレル業界では少し珍しい「初心者にやさしい帽子専門店」を展開するPORT STYLE株式会社。自社ブランド14+(ICHIYON PLUS)ではネット販売に加え、実店舗を全国32店舗展開しています。帽子をかぶったことのない方でも挑戦しやすいように、価格を4,500円3,500円2,500円の均一価格に設定。商品全体の約50%はオリジナル商品です。スピーディーな展開を実現するためにタイに自社提携工場を設け、企画・生産・販売までを一貫して行っています。 創業当時、実店舗はなくECサイトの運営が原点でした。当時は実店舗を持たないネット販売業者は信用を得られにくく、さらに、お客様の声も届きにくい難点もあり2009年に実店舗へ踏み切ります。店舗運営はもとより、アパレル販売経験もないゼロからのスタートでした。しかし、「トライアンドエラー」を合言葉に改善を繰り返し、2014年秋から本格的に全国展開を開始し、徐々に店舗数を増やしています。

業界の状況、外部環境の変化とその中での対策

現在、アパレル業界全体的に厳しい状況が続き、多くのブランドで昨対割れを起こしています。PORT STYLEとしては、飽和しているアパレルの中でも競合が少ない帽子業界に注目し、事業拡大路線を計画通り遂行しています。ここ3年では計画より早いペースで出店。店舗デザイン・什器製作を行う会社を設立し、コストを抑えつつ、ブランディングを行いながら急速な出店に対応してきました。

また、動きの早い顧客ニーズに対応するため、商品は最短約2週間で製造工場から店舗に並ぶシステムを構築しています。市場の動向は、毎週の会議や日々店舗の声を集める仕組みを作り、情報収集と素早い意思決定を繰り返すことで対応しています。

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現在取り組んでいることについて

PORT STYLEが最も力を入れて取り組んでいることが会社運営の土台を強化するための「標準化」です。対内的には、評価制度をクリアにすることで、社員一人ひとりが目標を明確に設定し、その努力が業績に繋がるような仕組みへ再構築しています。

また、対外的にはお客様に帽子専門店としてもっと分かりやすく、チャレンジしていただきやすい環境へと大きく改善しています。売り場のレイアウトや商品ディスプレイ、POP、アドバイザーのアナウンスも含めて見直しています。テスト導入店舗では昨対を超える売上で、成果に繋がっています。

社員に対して

経営理念の内容から社内では「自発性」という言葉が良く使われていますが、今は限られたトレーナーが入社時に価値観研修を行なっています。社長自身は理念の内容よりも理念の背景や「何のために働くのか」といった根本的な部分を伝えています。口で大切さを語るよりも、先輩社員の仕事に対する姿勢から理念や信念を感じることが大切だと考えます。また、仕事を自ら楽しめる環境を創るために、できる限り権限を与えています。ほとんどがアパレル未経験の社員。常識にとらわれず、失敗してでも行動する大切さは伝えています。

毎年の経営計画発表会で経営計画の共有や全社員との交流を計っています。組織が大きくなるにつれ、幹部社員以外の社員とのコミュニケーションが少なくなったため、定例会議に参加する等、意図的に接点を増やしています。

同友会への想い

兵庫同友会には、2007年に20代で入会しました。入会当初はゆるく参加していましたが、経営指針を受けてから変化し、積極的に参加するようになりました。青年部へも入り、色々な役を引き受けました。同友会で勉強することで、経営の判断基準が変わりました。色々な会合に参加して、多くの経営観を知る事に繋がっています。

今後の展望

店舗数100店舗に向けて今後も拡大路線を続け、帽子業界のリーディングカンパニーを目指しています。店舗数を増やすことが目的ではなく、重要指標はあくまでもお客様数。「誰もが知っている帽子屋さん」になることが、目標です。

また、海外展開の準備も進めています。まずはネット販売からテストマーケティングを行い、その後実店舗へ展開予定。“Produced by Japan”日本の品質を武器にした展開を進めます。気軽に挑戦できる帽子ブランドとして、14+(ICHIYON PLUS)を日本だけでなく世界へ広げていきたいと考えています。

編集後記(取材の感想)

水木さんは、若くして起業し、20代で同友会に入会された根っからの会社経営好きの社長さん。しっかりしたビジョンを持たれており、志がぶれていません。神戸旧居留地の中でも、歴史のあるビルにオシャレなオフィスを構えられ、ご自身のファッションセンスの良さも、さすが神戸ファッション業界の社長さんと感じました。取材中、何人か仕事をしているスタッフの方を見ましたが、皆さんオシャレで、笑顔を絶やさず、楽しそうに仕事をしているのが印象的でした。「もっと楽しいを。もっとenjoy!に。」自ら楽しむ姿勢を大切にする経営理念にあるように、今回水木さんが何度か口にした「楽しい」が社員さんに伝わっていると感じました。

 

神戸中央支部 松田 泰英

(株式会社コウベ・プレシアス・パール)