会員企業訪問

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株式会社エー.ティ.エム

|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)

会員名  

 

青木 崇敏(代表取締役)

所在地  

 

神戸市須磨区大池町5-13-1

創業   

 

1925年(大正14年)

設立   

 

1954年12月

事業内容 

 

ゴム製品成型用金型設計製作

従業員数 

 

24人(役員含む)

公式サイト

 

http://www.atm-mold.jp

入会年月

 

2005年7月

事業内容及び企業の沿革

1925年   創業

1955年   法人化(有限会社青木鉄工所)

1992年   株式会社化

              自動車部品用金型製作に転換

1995年   阪神淡路大震災被災

2002年   新社屋完成

2003年   青木崇敏氏、入社

2005年   同友会入会

2008年   リーマンショック

               青木崇敏氏、常務取締役就任

2015年   青木崇敏氏、代表取締役就任

2016年   第1回経営指針発表会

2017年   第2回経営指針発表会

業界の状況、外部環境の変化とその中での対策

金型は、自動車メーカーを中心とする製造業の景気動向に左右されやすく、また、他の成型メーカーが製造拠点を海外に移し始めている影響で、価格競争が厳しくなっているのだと青木社長は話します。

「受注の安定が難しい産業ですが、当社は業界の中でもニッチな立ち位置を意識しています。また、役員を含めて20名以上がいる会社はこの業界では珍しいんですね。会社規模を公開していくことも、お客様からの信頼を得ることにつながっているのだと思います」選ばれ続けていくために、これからさらに強化していく点は何でしょうか。「設計力、技術力。つまり金型の加工データ作成においては、これからも存在感を発揮することができると考えています。お客様との対応やデータの作成は国内で、そして実際に金型を作るのは海外で行うなどして輸送コストを下げる工夫もしていきたいですね」

 

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現在取り組んでいることについて

株式会社エー.ティ.エム、そのATMを頭文字として「明るく楽しいみんなの会社」というフレーズを経営理念に掲げています。「理念なので浸透するのが一番ですが、まずは社員の皆が理念を知っている状態が大切だと考えています。Tシャツにも理念を刷り込んで、ビジュアル化してるくらいですよ。まずは社長である自分が徹底的に理念にこだわること。そして、社員それぞれの夢を共有して、夢を実現できる場として会社があるのだという形にしていきたいのです」

社員に対して

「チームでありたいですね。自分さえ良ければというのではなく、お互いを思いやることのできる仲間であってほしい。社員に対して、ただ仕事を頑張れというだけでは、何をどんな風に頑張っていいのか分からないと思うので、仕事の延長線上に自分の、そして仲間の夢があるのだという意識を持てるよう、自分は社長として声をかけていきたいと思います。みんな、という言葉を特に重んじて」

同友会への想い

同友会で教えてもらった「現状維持は後退である」という言葉は、特に衝撃だったそうです。

「必死に頑張っている経営者がたくさんいるという刺激をもらっています。同友会はきっかけ探しの場所ですね、気付きや学びが自分の、うちの会社の推進力になっていることは間違いありません。そして、そんな一つ一つのインプットを経営指針書に落とし込んで、実際に行動していくというアウトプットをしていかなければなりません」経営指針書に基づいて行動をする、そしてそれを数字に反映させるのは経営者の務めであると語る青木社長。この強い意志を持つことができるのも、同友会の仲間のおかげだと教えてくれました。

今後の展望

海外展開を見据えている株式会社エー.ティ.エム。大きな転換期を迎えるからこそ、一枚岩となってチーム力を発揮していく必要があります。

「社員との個人面談、委員会活動などコミュニケーションの機会を増やしています。また、評価制度もわかりやすく明示して、頑張り方の基準を示すようにしています。自分の夢、会社の夢、みんなの夢。それぞれに違う夢があるからこそ、それぞれの夢を把握しているという組織風土を、これからもつくりあげていきます。繰り返しにはなりますが、会社はみんなのもの。みんなの夢を叶えるための場所が会社なんですよね。みんなが同じ方向を向いているという実感を大切にしながら、ゴム金型ならATMと評価されるよう発信に努めていきます」

編集後記(取材の感想)

青木社長の話を聞きながら、マズローの欲求5段階説を思い出していました。経営者は「お役立ち」や「地域貢献」といった言葉を好んで用いますが、従業員たちはまず、自分たちの生活と夢について考えるのが当たり前。この価値観の隔たりを理解することこそが、真のチーム作りなのかもしれません。「みんなの会社」にこだわるためには、語ることと同じくらい、「聴く」ことが大切。取材を終えて会社に戻った自分が「ところで今、どんな夢がある?」と社員に聞いたのは、言わずもがなです。

 

西神戸支部広報委員