会員企業訪問

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感動会社楽通株式会社

|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)

会員名  

 

田村 慎太郎(代表取締役)

所在地  

 

姫路市三条町2-13

創業   

 

2008年

設立   

 

2015年

事業内容 

 

各種印刷物、ホームページ制作、動画制作、イベント企画、展示会設営、企業プロ

従業員数 

 

5名

公式サイト

 

http://www.rakutsu.jp/

所属支部

 

西はりま支部

入会年月

 

2009年4月

事業内容及び企業の沿革

2008年7月     感動会社楽通創業

2008年10月     リーマンショックで楽通の生きる道が見つかる

2015年7月    感動会社楽通株式会社に法人化

2016年3月     「印刷物月々サポート」で経営革新取得

2017年10月          「企業映画化プロジェクト」誕生

2018年9月             国際フロンティア産業メッセ2018で「ベスト展示賞優秀賞受賞」

2018年11月            北九州営業所設立

2019年4月             東京営業所設立

2019年6月             NHKに楽通の取り組みを取材される

                                https://youtu.be/0mv0Rh15SSg

業界の状況、外部環境の変化とその中での対策

印刷機を回せば儲かる時代は終わり、別の何かを売る時代に移る過渡期にある。ネット社会は情報の構造を変え、紙を減らし業界は萎んだ。さらにネット印刷を持ち込んだ製版会社が従来価格を1/10にまで引き下げ印刷会社は根こそぎ仕事を失った。

一軒一軒飛び込んで「安くします、綺麗にします、何でもします」と頑張る印刷屋さんや1/10の単価に合わそうとする会社もあるが、低価格、高品質、翌日仕上げのネット通販は大規模でCMソングは誰もが口ずさめるほど認知が高い。同じことをやっていては将来が無い。

今後好転する要素は無いと云われる印刷業界にあって、旗幟に「おもしろいことをする会社」を掲げ、ドンドン受注を伸ばし北九州、東京へと続けざまに進出、大手映画制作会社さえ唸らせる会社が楽通だ。

1つ例をとると中小企業が新しい何かを模索するとき、周りがやってなくても大手企業は遙かその先に布石を打っていることが少なくない。競合ひしめく激戦区より競争のない未開拓地が善いのは自明だがそこに辿り着くには柔軟な発想が必要だ。印刷物を納入して完結する業態から一歩踏み込み、共に営業に出て営業会議の司会進行で戦略を練るなどして印刷物の成果を出すまで伴走する。すなわち結果にコミットするのだ。

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現在取り組んでいることについて

■企業プロデュース

お客様を広いコワーキングスペースへ招き、やりたいことやお悩みを1時間たっぷり話してもらい田村社長はひたすら板書する。全て書き出した頃にはやるべきことが浮かびあがりカルテが作られ、数日後処方箋よろしく企業プロデュース提案書が提示される。そこには解決に至るフローが描かれ、結果が出るまで伴走してもらえる頼もしさに期待が膨らむ。

 

■企業映画化ポスター

求人がはかどらない中小企業に足りないのは企業の顔である。業務内容の掲載からは将来像が見えてこないから訴求力がない。しかし社長と社員を主役にした映画風ポスターはそこが違った。

求人から会社案内、名刺、ノベルティに至るまで企業イメージを際立たせた効果は抜群で、社内活力が上がり、ポスターが一人歩きし、様々な場面で話題を呼び成果をもたらせた。楽通が見出した別の何かとは価値を売ることだった。

社員に対して

電話で伝えればあっという間にイメージ通りのデザインが出来て、打合せに行ってはお客さんとの程よい距離感に好感が持たれ、イベントとなれば自ら着ぐるみを着て、ポップコーン屋にもなるし餅まきもする。まさに八面六臂に躍動する社員たちによって楽通は成り立つ。「社員のおかげでの会社なので感謝しかないが、なかなか形に出せていないんです。」と申訳なげに話す田村社長に優しい人柄が見える。

同友会への想い

色んな業種がいて、おもしろいことが好きで行動が伴っていて相談に乗ってくれるし、紹介したりされたりできる。

とても好きな会だし感謝もしている。同時にかっちり乞う要請もある。様々な業種で構成される会員のネットワークは相当なもので、繋げれば広大なビジネスエリアになる。例えば、楽通風に考えると同友会で新商品を考え、チャンスを作りコンテストを開いてグランプリを決めたい。せっかく凄い社長が集まっているのだ、頑張ればすぐに1億円稼げる会社ができそうな気がする。ただ同友会にはビジネスに繫げることをよしとしない風潮があるので実現できるかわかりませんが。

また例会・ブロック会を動画や冊子で保存しダイジェストにアクセスできるようにもしたい。各地の例会・ブロック会は有意義でまたとない学びの機会だが、知りたいこと・やっていること・行ける時が合致するとは限らないし困った時に聞けるのが一番いい。またとない機会に再びの機会を作るだけで煙の様に消えていた例会・ブロック会が蓄積された資源に変わる。

次の例会候補を決める際にも役立つ。今は有名だから呼んでいる、そんな繰り返しで同じ人になるケースが多いが、知らない人でも震えるほど感動するような人はいたはず。他支部へのオファーもしやすくなる。行けなかった例会・ブロック会を見られる会員メリットは増大するし、なにより価値が上がる。

今後の展望

露出が少ない中小企業は発信ができていない。足りないのは設備や人材ではなく今までに無かったことを考える視点だ。「おもしろアイデア研究所」という面白いことしかしない会社を立ち上げ、現社長達社員にして知恵と人脈を持ち寄ってみんなで儲ける日本初の試みに挑戦したい。

編集後記(取材の感想)

創業3ヶ月といえばまだヨチヨチ歩きの幼い会社ですが、その時期にリーマンショックに曝されたのですからさぞかし辛かったでしょうね。ようやく回復した矢先、こんどは印刷会社を飛び越えた巨大製版会社が直接印刷を始めて相場を9割も下げたって云うんですから、これはもうよくぞ生き残ったとしか思えません。これほどの逆風の中で根を張った楽通が10年後、日本中から注文を受ける会社に成長してるのは当たり前ですね。

 

西はりま支部 川中 功