会員企業訪問

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株式会社 新興商運

|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)

会員名  

 

田正司 知祐(代表取締役)

所在地  

 

兵庫県多可郡多可町中区安楽田663番地

創業   

 

1972年

設立   

 

1991年1月

事業内容 

 

一般貨物自動車運送事業・物流倉庫業

従業員数 

 

26名(役員2名、社員21名、パート3名)

公式サイト

 

http://shinko-shoun.net/

入会年月

 

2016年11月

事業内容及び企業の沿革

当社は50年前、父が近間企業の依頼により中古の4トン車の持ち込みでトラックに乗り出したことから始まりました。
私は大学卒業後、大阪で就職しましたが、父から戻ってくるよう頼まれ、1年間のサラリーマン生活を終えて23歳の春に入社しました。
26歳のときに父が肺癌で亡くなり、社長を引継ぎました。当時はありがたいことにメイン顧客の物流センター運営の現場責任者を任せられており、その繋がりのおかげでなんとかやってこれたと思います。そして、その経験が運送業だけでなく当社10年ビジョンである物流倉庫業のイメージにつながっています。

業界の状況、外部環境の変化とその中での対策

運送業では全体的な物量が減り、特に自動車関連や鋼材などの輸送は目も当てられない状態です。
食品は元々安定傾向と言われておりスーパーやホームセンター、宅配の分野は伸びていますが、他は全体的に物流案件がとても少なくなっています。

運送業では利益率が3%あればいい方で、事故など起こせば僅かな利益は吹っ飛んでしまいます。当社はドライバーさんも気をつけてくれているおかげで事故は少なく、保険の割引率MAXも13年続いていますが、自社便だけでは利益が少なく他社便を活用した利用運送も合わせて行っております。配車効率の高さが当社の強みであり、コロナ禍を乗り切る一番の武器です。配車業務や荷物受渡の待ち時間などロスを少なくして効率を上げるためにも、物流センターの体制やAIやIT導入の必要性を強く感じています。

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現在取り組んでいることについて

何より物流倉庫を軌道に乗せることと、組織づくりが重要だと思っています。
元々規模が小さかった頃は全部自分で行っていた配車や営業・総務などの業務も少しずつ社員さんに任せ、現場のことは今ではほぼ手が離れています。
社員の成長なくして会社の成長はないと思っているので、彼らには管理職として部下を抱えてもらい、その為に業務量も増やしていく必要があると感じています。ドライバーさんには毎日早めの帰宅や土日休みをとってもらえるよう努めていますが、世間で求められている働き方改革は運送業ではなかなか一筋縄ではいきません。綺麗なトラックで荷物を運ぶため、普段からドライバーさんは手洗い洗車してくれています。導入の検討はドライバーさんに委ねていますが、先日新しい洗車機のデモンストレーションも行いました。業務が楽になり、社員さんが喜んでくれるのなら安い投資ではありませんがありだと思います。スムーズな運送業務の為に物流センターも欠かせません。また、運送の仕事はアナログな面も多く、IT活用により事務作業も効率化していくなど複合的に取り組んでいきたいと考えています。

社員に対して

新興商運に入ってよかった!と感じてもらいたい。そんな想いを常に持っています。

会社が成長していくこと、地域で認知され必要とされることが社員さんの喜びに繋がると信じています。また、創業からこれまで少しずつ積み上げてきてみんなが頑張ってくれたおかげで今があります。今あることが当たり前ではなく、先人に感謝し未来に紡ぐ。先輩が会社の歴史を後輩に語れるよう、プライドを持って仕事ができる環境を作り続けたいと思います。

同友会への想い

同友会に入会していなかったら、会社が潰れてはいないものの、今の状況は絶対にありません。
同友会で会議の大切さを実感し、自社でも取り入れるようになりました。また、委員会やバズセッションも真似しています。

県の集まりに行けば、こんなにも会社のことを考えているのか!と思うようなすごい経営者がたくさんいます。
自分自身への戒めや、時には焦りも感じながら、再確認の場となっています。北播支部は広いエリアの割に会員数も少なく同じようなメンバーで顔を合わせることが多くなってしまうので、既存会員が切磋琢磨し自社を輝かせることで、感化された周囲の経営者がどんどん集まってくる。そんな正のスパイラルで当事者意識を持って運営できる支部にしていけたらと思っています。

今後の展望

10年ビジョンに掲げている物流センターを目指し、2,850坪の工場跡地を購入したことで社員さんも喜んでくれています。
ただ不便な立地には少し工夫が必要なのと、築50年の建物には改修費用が相当かかっています。
先日のMG研修で100期に到達し、自社運営においてもようやくしっかりF(固定費)の計画を立て、黄色チップ(教育費)や赤チップ(広告費)をしっかりかけてG(利益)を出せるようになってきました。ドライバーさんが歳を重ねても安心して働けるような、また新卒採用をしていく際にハードルとなる免許制度においても小型車で配送できるような物流拠点をつくり、自社にとっての青チップにすることで、新興商運を地域になくてはならない物流企業にしていきたいと考えています。

編集後記(取材の感想)

北播支部企業訪問は初めて参加させていただき、いろいろ勉強になりました。
株式会社新興商運様から今抱える課題と、どうすれば効率化して利益に繋がるのか方法を伺いました。走行データを分析して新人でもベテランと同じ働きができるよう新入社員を指導したり、自社の現状の業務を素直に分析し、改善点を抽出し、最適な自社物流サービスを提供する為に、人・モノ・コトから社員たちと共に情熱を持って変化する市場への挑戦をし続けています....。

 

北播支部 広報委員
有限会社 阪神石材センター 代表取締役 小林 恵梨