会員企業訪問

VISIT

八百谷金属工業株式会社

|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)

会員名  

 

八百谷 篤寛(代表取締役)

所在地  

 

明石市大久保町大窪2702-9

創業   

 

1918年(大正7年)

事業内容 

 

アルミ鋳物、一般機械鋳物、試作用工業鋳物、射出成形用靴底金型鋳物

従業員数 

 

22人(役員含む)

公式サイト

 

https://arumiimono.com/

入会年月

 

2017年7月

事業内容及び企業の沿革

沿革

1918年 創業

1949年 株式会社八百谷鋳造所設立

1963年 神戸市長田区より、明石市大久保町(現所在地)へ移転

     八百谷金属工業株式会社に社名変更

1996年 新工場建設

2006年 八百谷篤寛、取締役就任

2009年 八百谷篤寛、常務取締役に就任

2012年 ソリューションサイトを立ち上げる

2014年 八百谷篤寛、代表取締役に就任

業界の状況、外部環境の変化とその中での対策

「鋳物屋である私たちの後工程に、加工屋の仕事があります。ここ数年、その後工程の部分まで含めて高いクオリティが求められるようになり、品質保証を要求されるようになってきました」と語る八百谷社長。対策として鋳物内部のレントゲン撮影を行って検査を行うこともしましたが、それは欠陥品の出荷を食い止める程度の効果しかなく、お客様から求められる品質保証とは異なるものでした。
「納品する製品に内部欠陥や圧漏れがなく、寸法や形状に誤差がないこと。私たちにはレベルの高い要求なのですが、お客様にとっては当たり前のことなんですよね。ならばもう、後工程である加工まで自社で請け負う体制にしようと決断しました。技術を確立するのに時間とお金はかかりますが、ニーズに応え続ける具体的なアクションを継続していくことが、選ばれ続けるための王道なのだと考えています」

|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)

現在取り組んでいることについて

事業承継した頃は、残業が続く毎日だったにもかかわらず赤字体質でした。「原価も製造時間も管理されていないのが原因でした。現在は工数管理を行い、作業のひとつひとつをデータで見える化。取引先にも適正価格での取引をお願いして、なんとか立て直しを図りました。また、ソリューションサイトを立ち上げて、プッシュ(売る)ではなくプル型(見つけてもらう)の営業手法も取り入れています。ネット広告を活用して、露出を増やしたことで安定的な受注につながるようになりました」

 

社員に対して

定年退職をするときに、この会社に来てよかったと言ってもらえる会社にしたいと八百谷社長は話します。「当社のものづくりは、機械ではなく人が行います。だから、感謝と尊敬の気持ちを社員に持ち続けるのは当たり前として、普段から、コミュニケーションの絶えない社風にしたいと考えています。自分は前に出てぐいぐい引っ張るタイプではないのかもしれません。ただ、その分、社員ひとりひとりがどんなことを考え、どんな欲求や夢を持っているのか傾聴できる自分でありたいんですよね」
社内では大きな会議を行うのではなく、できるだけ小さな会議に分けて行うのだとか。その理由は何なのでしょう。「ホウレンソウって自分も苦手なんです。会議を小分けにしたら、社員同士が喋りあって状況を伝えてくれるでしょう?会議というよりは、コミュニケーションをする場。その空気感を大切にしています」

同友会への想い

「社長観察をしていると、自分が魅力を感じる経営者像というものが少しずつ見えてきますよね。憧れがあり、実際に動いている人たちを見て、自分との違いを推し量る場。それが同友会の魅力なのだと思います」

今後の展望

5年10年未来、八百谷社長はどんな風になっているのでしょうか。「世の中のニーズを読んで必要とされる会社、そして社員にも成長できるような環境を与え続けられる会社であり続けます。お客様も社員も自分も、それぞれのステージが成長して一緒に幸せになれたら最高ですね。そのためにも、理想を語るばかりでなく、ちゃんと実績を積み上げて、その結果で評価される経営者になれるよう己を磨いていきたいと思います」

編集後記(取材の感想)

同友会ではよく「何を語り、どんな風に伝えていますか」といった議論をすることがあります。しかし考えてみれば、伝えたいことを浸透させるためには、まず「相手の話を聴く」という姿勢が大事なのだと八百谷社長の話を聞きながら思いました。円滑なコミュニケーションが行われる組織風土だからこそ、一体感を持って新たなことに挑戦し、望む未来を熱量を持って伝えることができるのかもしれません。人の集う会社という場だからこそ、テクニックではない「人と人」の本質を極めていきたいと思う取材になりました。

 

西神戸支部 前川企画印刷 西端 康孝