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株式会社タカラ塗料

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会員名  

 

大野 一馬(代表取締役)

所在地  

 

大阪府大阪市西成区南津守4-3-17

創業   

 

1949年(昭和24年)

設立   

 

1970年(昭和45年)

事業内容 

 

塗料の調色・製造・販売

従業員数 

 

23名(パート10名)

公式サイト

 

https://takaratoryo.com/

入会年月

 

2017年11月

事業内容及び企業の沿革

1949年 タカラ塗料工業所として創業

1970年 株式会社タカラ塗料設立

2007年 大野一馬 代表取締役就任

2008年 社屋リニューアル、公式ホームページ開設

2009年 オンラインストア「調色屋」開設

2014年  オンラインストア「刷毛・ローラーで車を全塗装しよう!」開設、オリジナル商品販売開始

2015年 オンラインストア「How to paint」開設

2016年 社屋リニューアル、ワークショップ開始

2017年  オンラインストア「Photo Design Board」開設

2018年  オンラインストア「TAKARA TORYO onlinestore」開設

2019年  第2工場兼ショールーム・ワークショップスペース「PAINTRANCE(ペイントランス)」完成

2021年 本社新事務所完成

その他

2020年 カラーミーショップ大賞2020 地域賞受賞

その他メディア紹介多数

車用塗り替え塗料販売数 28,000台以上

業界の状況、外部環境の変化とその中での対策

塗料業界的には10%減というところが多いですが、当社は50%増という状況です。

その要因としてコロナ禍による巣ごもり需要が影響していると思います。どういうことかと言うと、これまでDIY用の塗料を扱っているところはペンキは売れないなぁと嘆いていたのですがコロナ禍により家や車などを塗りたいという潜在的ニーズが顕在化してきた表れで建設建築や自動車板金塗装向けの部門は1 ~ 2割の減少、各社ホーム部門DIY向け塗料は1.3倍となっています。

当社の業績が向上した背景にはコロナ以前からオリジナル商品での小ロット多品種の品ぞろえや丁寧なアドバイス(使用方法)をしていたことに加えYouTubeの動画配信やネット販売をやっていた事も大きかったと思います。

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現在取り組んでいることについて

入社当初から売上げの減少に頭を悩ませ不安を抱える毎日でしたが、2007年代表に就任した時からホームページの作成と店舗のリニューアルを行い、オリジナルブランドの塗料開発とWebを中心とした販売へと舵を切りました。当初は妻や義母に手伝って貰いながら日中は調色・接客、自宅に帰ってからはホームページの作成と大変な日々が続きましたが、徐々に通販サイト「調色屋」の売上も軌道にのり2012年には既存の売上を通販が上回る状況に至りました。特にお客様から要望のあった、はけ・ローラー・塗料をセットにした車用塗料キットの売れ行きが好調となり、現在ではイベントへの出店など自社ブランドのリニューアルと確立を牽引しています。

業績が良くなっていく中で大きな問題となっているのが人に関わる部分です。スタッフが増え業務の幅が増えたことによりこれまで以上に社員教育に力を注いでいますが、どうしてもこの人しか出来ないと言った仕事のブラックボックス化が出てきてしまいます。この仕事の属人化をなくすためのマニュアルの整理とシステム化・効率化を急務として取り組んでいます。

社員に対して

最近の人というか当社に就職する人の傾向なのか、給与がたくさん貰えるとかではなく、ストレスのない雰囲気の良いところで働きたいようで、特に新入社員に何を重視するか聞いてみると人間関係や雰囲気を重視するとの答えが多いです。ステップアップする準備をするよと言ってもあまり乗ってこない、それよりも機嫌良く働いて定時になったら帰りたいとの意見が多いのはパートさん含め女性社員が多いという事も理由の一つかもしれません。

ですが、会社の成長を考えると成長意識の高い人に来てもらいたいところです。やっと入社した新卒の男子がイケイケなのでなんとか成長してもらいたいです。

同友会への想い

よく経営者は孤独と言いますが中小企業家同友会は同じ目線の経営者の友達が出来るし困ったことがあれば何でも聞けるのでほんとに助かっています。もし誘われていなかったらどれだけ苦労していただろうと思いますし、もしかすると会社を潰していたかもしれません。当時は会社に行くのも苦しい時だったので手当たり次第に聞ける人を探していた状態でした。中小企業家同友会には自分の会社と同規模の会社や少し大きい会社で同じような課題を乗り越えた経営者の話が聞ける、だから僕は自分の経営課題を解決するために参加しています。

社長が成長しないと社員が不幸になる。マインドの部分だけで無くやり方も教えて貰えるからスピード感がある。ガラケーからスマホに変わったくらいの衝撃がありました。

今後の展望

アメリカのホームセンターでは塗料は家電に次いで2位の売上で入り口付近に陳列されています。人口一人あたりの塗料の消費量が日本の3倍以上、文化の違いと言ってしまえばそれまでですが日本は高度経済成長期に法人向けの販売で儲けることが出来たので一般家庭のニーズに目を向けていなかった、これまで業界自体が面倒臭がってしまったためにニーズが潜在化してしまったんだと思うんです。

他にも潜在的なニーズはあるのでこれからもニーズを掘り起こしたいと考えています。

編集後記(取材の感想)

会社の歴史からWebを使っての販売やブランディングなど様々な取組みをお聞きしましたが、大野さんのお話からは【経営者である以上、いかに環境がきびしくとも、時代の変化に対応して、経営を維持し発展させる責任がある】という労使見解の一節が頭に浮かびました。常に現状に満足しない姿勢には、もっと会社を良くしたい、日本の塗料文化を変えたいと言う思いがひしひしと伝わってきました。

お忙しい中ご対応頂いた大野さん、スタッフの皆さんありがとうございました。

 

東神戸支部 広報委員