会員企業訪問
VISIT
会員名
山中 秀夫(常務取締役)
所在地
兵庫県加古郡稲美町野寺939-1
創業
1933年6月
事業内容
牛乳を主とする食品の販売、配達
従業員数
100名(パートアルバイト含む)
公式サイト
http://inami-milk.ne.jp/
入会年月
2015年6月
事業内容及び企業の沿革
創業88年で瓶入りの牛乳をご自宅まで配送する、いわゆる牛乳屋さんです。現社長の船山が3代目社長で、私は常務取締役になります。弊社は元々牧場経営をしていました。記録として残ってるのは、昭和8年の神戸市垂水区に牧場を移転してからになりますが、実はそれ以前より大阪の淀川河川敷で牧場経営をしておりましたので、今となっては、いつ創業なのかはわからないそうです。
1962年に自社で生乳を瓶詰めにして販売する「牛乳処理販売」から、商品を仕入れて販売する「牛乳仕入れ販売」へと切り替えて今に至ります。
私自身は、社長と同い年で旅行会社に在職中、知人の紹介で現社長の船山と知り合いました。
船山の「船山牛乳店から企業に変えたい!!」と熱く夢を語る姿に心打たれ、転職を考えていたタイミングで誘っていただき「私はこの人の夢を叶えたい!」と思い入社しました。
業界の状況、外部環境の変化とその中での対策
元々牛乳屋さんの業界は、家内事業的な個人事業主が多く、組織として運営している会社が少ない業界でした。業界としても慢性的な人不足もあり、労働環境の改善が必要だと感じます。その中で弊社は、営業スタッフのそれまでの完全歩合契約から全て社員として雇用する方向に舵を切り、雇用を増やし、社員教育をし、社風を良くし、活き活きと働ける環境づくりや組織化に励んでいます。
現在取り組んでいることについて
営業力が弊社の強みなのですが、このコロナ禍で、今までの訪問営業のスタイルから、電話(コーリング)営業に変えしっかりと商品の良さを丁寧に伝えることを全社員で行ったところ、かなりの契約を得ることが出来ました。また以前契約してくれていたお客様にコロナでお家需要が高まってるので、再度契約してもらえないかと電話営業をかけたのも大きな結果につながり、長い歴史の中で蓄積されたお客様の情報、お客様からの信頼の大事さを感じました。
おかげでコロナ禍でも、2020年は過去最高売上&利益を出せたのですが、その時、昔なら会社の売り上げは社員さんにとって他人事のような感じだったのに、全員が達成感を感じてるのを見て、方向性は間違ってなかったと実感しました。
さらにその次の年も順調に利益を出し、ここで生まれた余裕が今度は“お客様に契約を辞めさせない、お客様を守るために、従業員満足度を上げることが重要なんだ”ということに気づけたと思います。
社員に対して
僕らはお客様のお宅に商品を届けるのが仕事です。その商品を届けるときの“お客様とのつながり”を作ることがとても大事で、お客様や社員さん同士、地域、関係する人たち、どんどん人と人のつながりを作っていってほしいと思っています。
また、私はES(従業員満足度)を上げればCS(顧客満足度)向上につながると考えてます。お金だけではなく働きやすさと、目標達成によりやりがいを感じてもらえるそんな組織を作るために、Zoomを使い弊社広島営業所と稲美町の本店、お互いの良いところを感じ、切磋琢磨できるよう地域を越えた合同会議にもチャレンジしています。
同友会への想い
同友会では老若男女関係なく良い経験や失敗した経験を聞け、その中で自分もたくさん刺激をもらっています。
自分はまだまだ人としても成長していきたいと思っていて、同友会活動はそれにつながると思っています。
今後の展望
2020年から「お客様が当社との契約を辞めないお客づくり」を目指し、「地域でなくてはならない会社 オンリーワンの会社になる」を掲げています。
今日まで弊社は積極的に雇用し、労働環境の改善を行い、その中でしっかりと利益を上げられる営業スキルの指導など、牛乳屋さんの業界ではありえないチャレンジをしてきましたが、まだまだ改善し向上させていく必要があります。
その為に常に自分を高め、良い会社を作っていきたいと思います。
編集後記(取材の感想)
今回、企業訪問の為に初めての稲美町に。たくさんの小麦の穂がキラキラと黄金に光る畑に囲まれ、とても心地いい風が通る会社でした。取材中に窓から燕が入ってくるなど終始自然を感じ、稲美乳販さんの経営理念の一部に“自然と共に、自然と大地の恵みに育まれた”とあり、まさにその環境がここにありそこで育まれた社員さんたちが人と人のつながりをどんどん広げていく未来が想像できました。
神戸中央支部 株式会社ソレファーム 吉田 秀司