会員企業訪問
VISIT
会員名
出雲 文人(代表取締役)
所在地
兵庫県淡路市生穂新島9番15号
創業
1909年
事業内容
麺の製造、販売、飲食店コンサルティング
従業員数
58名(社員34名・パート24名)
公式サイト
入会年月
2008年9月
事業内容及び企業の沿革
淡路麺業5代目社長。創業1909年うどんを製造し食堂や八百屋への卸売りからのスタート。1968年淡路島島内5つの製麺屋が集まり淡路麺業株式会社を設立。
2007年から生パスタの製造を手掛け、飲食店へ卸売を開始。2008年社長就任。同友会入会後、経営指針書づくり、MG研修に積極的に参加。2015年本社工場竣工。2023年本社敷地内に新工場が完成。
業界の状況、外部環境の変化とその中での対策
全国に数千社あった製麺会社は2008年社長就任時には約半数となっていた。安売り、価格競争が激化した為だった。本業の製麺業は薄利で、一緒に配送納品のできる付随商品で生き残るような状況下。淡路麺業も例に漏れず本州から安いゆで麺が流入し経営環境は悪化していた。
その様な中で商品開発を進め、生パスタの可能性を見出し、パスタ専門の製麺会社として舵を切ることとなった。「若い子に夢を持たせたい」という出雲氏の想い。
生パスタを販売以降、淡路麺業の取引先は淡路島内から日本全国に販売エリアを拡大しつづけている。
仕事への想い
本当に美味しい生パスタを世界中の沢山の人に食べていただきたい。そして日本のパスタ文化に革命を起こす為に生パスタで日本一を目指す。それには安全安心で高品質なことはもちろん、顧客フォローが大切だと出雲氏はインタビュー時に語ってくれた。
「当社のパスタを使って、お客様の売上が上がらないなら、淡路麺業のパスタを使う意味が無い!」最適なゆで時間は熟知しているし、調理方法、レシピ、販促、人材育成に到るまで、商品を利用されるお客様から要望があれば、繁盛店になる為のマネジメントを請負う。そのために現在も様々なノウハウを蓄積し構築している。
パスタの調理講習会を全国で毎月開催し、自社の生パスタがお客様に一番美味しいと感じられる提供方法 を伝えることで信頼関係の構築と文化づくりに努められている。
社員に対して
物心両面の幸せの追求を目指し、評価制度を設け自己と上司からの評価を行い、役割期待を明確にされていた。また毎月出雲塾を開催し、社長の想いや問題に直面した際の考えや想いを伝える場にされていた。
同友会への想い
異業種の経営者からの一言。「赤字は悪。物心両面を豊かにする」という言葉をストレートに聴き、会社訪問で初めて夢や目標を立て行動していくことを間近で見られた時に感動を受けられたとのこと。
その後、2008年9月「環境に身を浸せば自分も変われるのでは?」と想い同友会に入会。MG研修、経営指針書づくりに参加。「現在の会社運営はMGです」と話された出雲氏。商品開発、雇用、広告、設備投資、新工場には、 MG研修が活きているようだった。
今後の展望
2023年ウクライナ戦争の影響から、お客様に値上げを予定。しかし、お客様のお客様が感動し再来店していただけるような取り組みをお客様と一緒に行い、値上げ以上の価値を感じていただく。また、顧客のご紹介や前出の調理講習会に参加していただいたお客様には価格メリットを打 ち出すなど、広告宣伝(赤チップ)にも抜かりはない。
2026年には現在の十数億から10倍の売上を目指すと話された出雲氏。業界への貢献ができるような取り組みとして、生パスタの製法を伝え、コーディネートすることを視野に入れられていた。
2023年竣工の新工場では生産能力が現在の5倍となる見込みで目標達成への布石はしっかりと打たれていました。
編集後記(取材の感想)
海沿いに構えた社屋に生パスタ工場とレストラン。黒をベースとした現代的な装いの建物。若い力が支える淡路麺業。出雲氏の言葉と想いを乗せた経営指針書。 「震災のひび割れた社屋そのままで営業しつづけるのはだめだ!」「若い子に夢を持たせたい」という出雲氏の想いが沢山詰まり、具現化をどんどんされている。経営者の想いと発するエネルギーが会社をどんどん変化させて行く。 想いだけでは足りない。イメージはしっかりとできているか?出雲氏から語られる言葉はまっすぐで明確で解りやすい。言葉と想いと行動が一つになっている。 あなたはどうありたいの?何のために経営してるの?これらを出雲氏から投げかけられた様な企業訪問でした。
兵庫支部広報委員会 株式会社鍵庄 入江弘智