会員企業訪問
VISIT
会員名
宗元 裕介(取締役社長)
所在地
神戸市垂水区北舞子四丁目10-25
創立
2005年1月
事業内容
在宅介護事業・サービス付き高齢者向け住宅の運営・訪問看護事業・障害者グループホーム運営
従業員数
85名(内、パート64名)
公式サイト
入会年月
2021年12月
事業内容及び企業の沿革
創業したのは23歳の時で、「人に使われるのは嫌」「自分でやるほうが楽しそう」という気持ちでした。そこから、今は20期目に入りました。
事業内容は福祉事業と介護事業です。よく「福祉」や「介護」、などと一口で言いますが、実はかなり幅広く、当社もいろいろなことを行なっています。
主な事業としては、老人ホームの運営があります。明石と大阪の八尾で2棟を運営しており、これがメイン事業になります。
もう一つは、障害者のグループホームの運営を行っていて、18歳から65歳までの知的・発達・精神障害をもつ方に入居していただいています。今はこのグループホーム2棟を明石で運営していて、同じものを大阪の藤井寺にも2棟建設中です。
その他、障害者の就労支援施設の運営や、訪問看護事業も行っています。
業界の状況、外部環境の変化とその中での対策
外部環境は大きく変化しています。創業当時は小さな事務所を借りてヘルパーの派遣事業を行っていたのですが、ヘルパーの人員確保が難しくなってきたことや、国も在宅から施設を推奨する方針になってきたことから、施設の運営を始めました。ただ、地域にもよりますが高齢者施設も供給過多になってきて、生き残るためには他とは違うことをやらなければいけないと考えていた時に「今やっている事業なら就労支援が相乗効果があるからやったらどう?」と声をかけていただき、就労支援事業を始めました。すると、今度は来てくれる利用者さんの住むところがない、という話になり、障害者グループホームを作ることになりました。このように、会社が生き残るために柔軟に今必要とされることをやっていこう、ということで、障害者福祉事業を広げていきました。
社員に対して
今取り組んでいるのは、組織づくりです。私は創業者として一人で事業を立ち上げ、今も役員は私一人で
鍋蓋組織になってしまっています。右腕として支えてくれる幹部はいますが、もう少し組織的に会社が動くようにならないといけないと思い、今は新しい役職を作るなど次のステージの組織づくりを始めているところです。組織づくりの方針としては、ヘルプではなくサポートしよう、なんでもチャレンジしよう、最初から教えるのではなく自分で考えるよう促そう、などを伝えています。
同友会での学び
同友会への入会は2021年です。ウェルカム同友会で同じ地域に同じ業種の方がいるのを知り、入会を決めました。実際入会すると福祉の方も多く勉強になっているのですが、他業種の先輩から「福祉やってるからって『やりがい搾取』するなよ」と、言われたことは非常に心に残っています。福祉だから低賃金というのは経営者の甘えだと思いました。
最初は「面白い人に会いたい」という気持ちで同友会に参加していましたが、最近では同友会活動に参加する「意味」がやっとわかってきました。「なりたい姿」と「現状」の差が経営課題であり、その経営課題を見つけるために同友会に参加しているところが大きいです。経営指針書を作るときも、いろいろな方にアドバイスをいただき時間をかけて作れてよかったと感じています。
今後の展望
まず、クリニックの開設を目指しています。医療が必要な時にクリニックが社内にあれば、利用者さんのメリットにもなるし、地域社会にも貢献できると考えています。また、一定の地域に複数の施設を作りドミナント的な戦略を行うことで、施設同士の相互作用のメリットを生かしていきたいと考えています。
30歳代までは、自分も儲けたい、といった考えで事業を行なっていたところがありますが、私自身も40歳を超えて、世の中の役に立ちたい、必要とされる会社にしたい、という気持ちが強くなってきました。また、福祉業界は低賃金だと言われていますが、当社ではしっかり利益を出して社員にも比較的高い給料を出しています。そのためには効率的な事業運営が必要ですが、これは経営者である私の重要な仕事だと思っています。
福祉に関する国の方針としては、「小さな会社はつぶれてもいい」という方向になってきています。これは中小企業は法令遵守の意識が低いため、大手がやる方がいいだろうという意味です。今後も生き残るために人をしっかり育てて、法令遵守はもちろん、規模の拡大と強い組織づくりを進めていこうと考えています。
編集後記(取材の感想)
まだ40代前半と若い宗元さんですが、経営者としてのキャリアは20年になります。「生き残るためには何でもやる」とおっしゃる宗元さんですが、【なんでも】といいながら、【求められ、必要とされること】をやる、というしっかりしたポリシーを感じました。また、「これやりませんか?」と声かけていただくことも多いです、とおっしゃっていて、周りからの信頼の厚さが様々なチャレンジにつながっているのだと思います。施設見学もさせていただき、ありがとうございました!
中神戸支部 広報・会員交流委員会
アーク社会保険労務士法人 藤原 弥季