会員企業訪問
VISIT
会員名
植田 俊司(代表取締役)
所在地
淡路市志筑1462-6
創業
1978年1月
事業内容
総合建築業
従業員数
15名
公式サイト
https://www.skueta.com
入会年月
2017年1月
事業内容及び企業の沿革
左官業を営む父から紹介された大工の親方の下、修行を積み経験と知識、そして技術を身につけました。大工の修行を終えて、関東の建築を勉強しにいきました。26歳で淡路島に帰り「住宅の全てに関わりたい」と33歳で個人事業を父から継承しました。自然素材を使った家造りへとシフトしていき、10年後、株式会社総合建築植田を設立しました。
現在は、新築住宅の建築、古民家のリノベーションを手掛けています。
業界の状況、外部環境の変化とその中での対策
最近の住宅の主流は「高気密高断熱」、気密性が高く部屋の温度を一定に保ちやすく省エネにもつながるのが人気の理由です。
私たちが建てている家は自然素材をふんだんに使う「木と漆喰の家」。気密シートで覆うより湿気が抜けやすく、より安心安全に人が暮らせる住まいを目指しています。
例えると「高気密高断熱」は発泡スチロールの箱、「木と漆喰の家」は木と漆喰の箱。どちらが暮らしやすいかは住む人の価値観により賛否が分かれます。
現在の住宅はまだまだシックハウス対策が充分とは言い難く、その可能性をはらんでいることは間違いありませ
ん。ですので、工法から材料に至るまで一つ一つにこだわって選んでいます。
「木の箱」が好きな住まい手をターゲットに本質的な暮らしやこだわりを大事にしつつ現在の流行も取り入れバランスをとりながら日々努力を重ねています。
現在取り組んでいることについて
最近では、情熱大陸にも出演された日本屈指の左官工「久住有生氏」からの依頼が入りました。現在、淡路の貸別荘の建築に携わっています。全てがこれまでで最高の仕事に取り組み中です。
お客様の声をしっかり聞いて確認しながら、本質にこだわり、もっと良くしてあげたいと見積りにないことまでしてしまうこともあり、「利益が思うほど残らない」と言うのが悩みどころです。しかし、お客様満足度が高い。それだけではなく、「お客様がお客様を紹介してくれて、広告宣伝費は一切使わず次の仕事の依頼が来る」。不動産営業マンを雇うことなく、会社のファンであるお客様が営業してくれるスタイルが確立されています。
社員に対して
社員については、見習大工を葛藤しながら絶賛育成中。昔の自分と比べても、若手社員がとても幼いと感じているが、根気強く向き合い一人前の自立した社会人に育つように仕事のみならず人間力の成長も応援をしています。
今は、LINE WORKSを使って一日の作業日誌を提出してもらっています。最初は、コンスタントに提出ができなかったが、今年に入ってから頑張って継続ができています。
本当にちょっとずつだけど、成長してきています。
同友会への想い
東播支部を選び入会したのは、7年前。現在は、副支部長を勤めています。建築業界にはネガティブな人も多い。同友会に、こんなにどっぷりとハマるとは思ってなかったが、前向きな考えの仲間が多く良い環境に自分の身を置けて研鑽ができると感じています。経営指針書の作成を通して同友会のすばらしさ、「恩送り」のすばらしさを実感し、次の世代にその恩を送れるようにと感じています。
その想いが日々の仕事への潤滑油になっています。感謝しかないと感じています。
今後の展望
この先の展望は、「現状維持」。現状維持といえば、挑戦をしない印象かもしれないがそうではない。父の代から雇用している職人の中には、現在60代70代を超えて現役で働いているメンバーが5人います。かたや、若手はまだ職歴が浅く何もしなければ現状維持がままならないです。60代と70代のメンバーが退職を迎えると、社員は半分ぐらいになります。会社は世代交代の時期に差し掛かっています。現在若手の職人の育成には自らも手塩にかけています。建設業界は、人手不足が激しく求人採用が難しく、だからこそ、現状維持ができる体制を作るのは今1番の目標です。Z世代と言われる若手とは価値観の乖離を感じ育成は一筋縄では行きません。思った通りにならない育成のジレンマはあるが、しっかりと仕事への向き合い方も丁寧に教え、若手の育成に取り組んでいます。
編集後記(取材の感想)
久住さんと共に手掛けられている建築物件と、リノベーション中の古民家物件の2軒を見学させて頂きました。どちらも、丁寧さとこだわりが感じられる家に仕上がってきており、植田さんのお客様への愛と仕事への情熱が伝わって来て口コミでお仕事が広がっている事に納得感がありました。取材中、お父様のお話が沢山出て来てあたたかい尊敬の念を感じたのも印象的でした。
Gemeinschaft 代表 山本 麻依子