会員企業訪問

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特定非営利活動法人 わだち

|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)

会員名  

 

光武 茂(理事長)

所在地  

 

神戸市西区南別府1丁目21-1 セゾン伊川谷A棟3階

創業   

 

2007年2月

事業内容 

 

放課後等デイサービス、生活介護、居宅サービス、農業

従業員数 

 

26名(内パート14名)

公式サイト

 

https://npo-wadati.jp//

入会年月

 

2019年2月

事業内容及び企業の沿革

2007年に障がいのある方のための居宅サービスを事業としてスタート。その際、社員に中学生の障がいのあるお子様がおられ、その社員が働きたいために、少しの時間でも子どもを預かって欲しいという要望にお応えして、2007年11月にその子のために放課後余暇活動を神戸市長田区でボランティアとして始めました。


その後、ボランティア活動の噂を聞いた保護者の方からのお問合せや行政の斡旋等で預かるお子様が増えてきたため、2012年に放課後等デイサービスとして正式に事業をスタート。その後、利用者の増加とともに、2014年に西区伊川谷の施設でも事業を始めました。


また、その同時期に保護者様から「18歳以降になってもわだちさんを利用したい」という要望にお応えして、就労継続支援とともに農業の事業を始め、また2017年には利用者様の生活リズムを整える生活介護の事業もスタートし、現在に至っております。

業界の状況、外部環境の変化とその中での対策

障がいの程度が低い方も含めて、障がいのある方の人口が増えてきています。ただ放課後等デイサービスは時代の流れとともに事業所が増え、立ち上げ当時に比べブルーオーシャンからレッドオーシャンになってきています。そのような外部環境の中で「本人が望むことをどれだけ出来るようになるか」や「専門的な社員がいるか」など、事業所としての強みを持っていないと生き残っていけない時代に変
わってきていると考えています。


当事業所は創業時代からの勤続年数の長い経験豊かな社員がいたり、さまざまな研修を受けた社員が在籍していることが一番の強みになっています。


また、生活介護事業でも「送迎があるか「」事業内容の質」「開所時間」などでも、他事業所との差別化を図っていき、利用者様やそのご家族様に選ばれる強みづくりをしています。

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現在取り組んでいることについて

現在、社員全体で「ちょっとのイイね!」を増やしています。具体的には、事業所名が入った封筒を作って関係各所に全事業所を認知してもらったり、給料明細や社員が着る服にも事業所名を入れたりすることで、小さなちょっとのイイねを増やしていくことを課題にしています。


また社員の教育にも力をいれています。福祉関係の研修はもちろんの事、MG研修やEG研修なども受けていただき、福祉の業務以外にも社員全員が幸せになるため経営の数字に関する教育を受けてもらっています。それにより社員の意思決定の機会を作り、新たな事業を立ち上げる時には、その管理者を現在の社員の中から年功序列ではなく、やる気のある社員の中から候補者を選べるように取り組んでいます。

社員に対して

法人の理念「障がいの有無にかかわらず、その人が輝ける場所を提供します」に基づいて、社員一人ひとりが輝いて欲しいと思っております。業務の中での「しんどい事「」ネガティブな事」を、いかに社員一人ひとりが自分自身で「楽しい事」の波に変えていけるか、広げていける様にする事が大切だと思います。社員の経験年数は関係なく、その社員が自主性を持って行動し始めた時に、それを後押しする「環境整備」や「応援する」事が僕の仕事であり、そのために年2回の個別面談を行なっております。今後は各施設の社員全員が交流できる様な場も、社員主導で作っていきたいと思っております。

同友会への想い

同友会に入会した当初は社員から「同友会は飲み会の場でしょ?」なんて言われた事もありました。その後、同友会の青年部で役を受けたり、経営者ばかりの組織で学んだ事を自社の仕組みに落とし込む事で、社員からの理解も生まれ、今では何も言われなくなりました。


また事業所が増えた事で、僕が普段常駐している事業所に偏りがでた事で、組織として上手く回っておらず、そんな組織の姿を見て「光武さんは経営の事だけをしてください」と社員が自らが進んで管理職を受けていただいたのは、同友会で学んだたくさんの事を自社に落とし込んだ結果だと思います。

今後の展望

法人としての強みはいろいろありますが、事業としての強みは農業で、兵庫県にはあまりない「福祉から農業を生む」という所は自社の強みだと思っています。そこの延長線上に「こどもカフェ」だったり「就労継続支援B型事業所」だったり「身元保証制度の障がいのある方版」なども今後は挑戦し、障がいのある方も社員も輝ける事業所でありたいと思います。また事業所名の「わだち」の由来の様に、 1日1日、1年1年の足跡をしっかりと残していきたいと思います。

編集後記(取材の感想)

西区の事業所に訪問させて頂いて感じた事は、社員さんや利用者さんが元気でとてもいきいきとされていてアットホームな感じがしました。


光武さんの利用者さんと社員さんへの熱い想いが、利用者さんや利用者さんの保護者や社員さんに伝わっており、全員で新しい事に楽しんで挑戦されているのが印象的でした。


社名の「わだち」の通り、福祉業界にその道筋を残されていくのが楽しみです。


株式会社阪神月星 代表取締役社長 尾仲 泰昌