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有限会社ピーターパン

|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)|会員企業訪問(兵庫県中小企業家同友会)

会員名  

 

秋田 大典(代表取締役)

所在地  

 

姫路市飾東町庄456番地の1

創業   

 

2005年4月 有限会社ブリエ
2012年7月 有限会社ピーターパンに社名変更

事業内容 

 

一般建設業、不動産営業

従業員数 

 

3名(2024年時点)

公式サイト

 

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入会年月

 

2017年4月

事業内容及び企業の沿革

父は「メガネの三城」の建設部門で部長を務め、全国の店舗工事を手掛けていましたが、定年退職後、当時の会長から「独立して三城の仕事をしなさい」と勧められ、61歳で会社を創業しました。
開業当初は三城の遠方現場を中心に受注し、私も勤めていた工務店を辞めて父の会社に加わりました。当初は仕事も順調で忙しい日々を過ごしていましたが、リーマンショックの影響で三城からの仕事が激減し、依存していた仕事が一気に減少。その後、父が胃がんを患い体力が低下したことで隠居を決意し、「好きにしろ」と会社を私に託しました。
迷いながらも会社を続けるか悩んでいた私に転機が訪れたのは、同級生からの住宅建築の依頼でした。初めて新築住宅を手掛け、大工さんに教わりながら完成させたことで責任感が芽生えました。新築住宅には10年間の瑕疵担保責任があり、その責任を全うするために会社を
続けると決意。また、当時妻の妊娠がわかり、家族が増えることも背中を押しました。こうして新たなスタートを切る決意を固め現在に至っております。

業界の状況、外部環境の変化とその中での対策

建設業界では技術者の高齢化が進み、10年後には従事者の約30%が引退すると予想されています。一方で新たな働き手は少なく、技術者人口の大幅な減少が見込まれています。その結果、人手不足が深刻化し、職人の取り合いが激化することで、多くの中小工務店の業務が成り立たなくなる可能性があります。
しかし、業界人口が減少する一方で、同業他社の手が回らない案件を拾い上げるチャンスも生まれるかもしれません。また一社依存に失敗した経験から、誰にも依存せずに多岐にわたり多くのお客様から受注する意識を持ちました。
こうした外部環境の中で、小規模な会社はこれらの機会を逃さずに活かし、利益を上げていければと考えています。

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現在取り組んでいることについて

経営指針づくり勉強会を通して「2023年ビジョン」を掲げました。まだまだ粗削りの計画ですが、その実現に向けて、まずは利益体質の改善に取り組んでいます。
「05mmの仕事」「同業に売れる仕事」という想いで仕事を心がけてきました。自社の強みや価値は何なのか?を考え、付加価値と利益の向上を図っています。
数年前は「とにかく売上」を追いかけてきましたが、今では「必要な利益」を出すにはどうすればいいのか?を考え行動しています。

社員に対して

これから社員を増やしていくので、いかに建設業が楽しくやりがいのある仕事かを知ってもらう努力をしたいです。
知識や経験が増え育ってくると独立する従業員も多い業界ですが、どうすれば社員が共に同じ目標を持って仕事をしてもらえるか?を考え続けていきたいです。

同友会への想い

同友会に入会してからの5年間、忙しさに追われるばかりで、周囲から「儲かっているのでは?」と言われても実際は利益が出ておらず、内心では焦りや悔しさを抱えていました。それでも「ぼちぼちですよ」と取り繕う自分がいて、本当は「儲かっています!」と堂々と言いたいと常に思っていました。このままではいけないと感じ、同業の先輩に価格設定の方法を聞いたり、仲の良い先輩に悩みを相談したりするなど、少しずつ「経営」を意識した行動を始めるようになりました。そして同友会での厳しいフィードバックが、自身や会社の在り方について考える大きな契機となりました。
青年部の役職を通じて人との関わり方や発言の大切さを学び、経営指針の勉強会やMG研修などにも積極的に参加してみることで、新たな気づきと活力を得ています。昨年からは支部活動でも役をいただき、支部の先輩方と気兼ねなく相談し合える関係が心の支えとなっています。
同友会は、普段会社にいるだけでは得られない注意や心配をしてもらえる場であり、その会話の中に経営のヒントが隠されています。まだすべてが「会社を変える行動」に直結しているわけではありませんが、一つずつ成果を出しながら、学びを会社の成長につなげていきたいと考えています。

今後の展望

これからも同友会の活動からいろんなことを学び、積極的に自社を良くするための行動に変えていきます。その中で良い仕事を続けながらしっかりと利益の出る会社を目指していきます。
2030年ビジョンでは従業員8名を描いております。そこに向け経営者として成長していきます。
自社の体制やサービス内容を見直し、付加価値を高める工夫を続け、これからの取り組みを通じて持続可能な経営基盤を確立し、2030年の目標達成に向けて堅実に歩みを進めていきます。

編集後記(取材の感想)

今回のインタビューを通じて、家族で受け継がれてきた責任感や困難を乗り越える秋田さんの力強さを感じました。特に「売上重視から利益重視へ」の切り替えは、会社を守り、成長させるための大きな決断だったと思います。
また、社員や業界への思い、同友会での学びが経営に生かされている様子がとても印象的でした。今後、2030年ビジョンの実現に向けて、さらに活躍されることを楽しみにしています!


西はりま支部 株式会社GAON 中谷 早里