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2025年新年のご挨拶

キャプチャ.PNG新年あけましておめでとうございます。
今年の干支は乙巳(きのとみ)です。「努力を重ね物事を安定させていく」と言う意味合いを持つ年とされます。
コロナ禍の2年間、兵庫同友会は『リ・ビルド』を打ち出し、経営基盤の再構築を促し、アフターコロナではため込んだパワーをエネルギーに『グローアップ』を掲げました。ここ数年の兵庫同友会の成長には目を見張るものがありました。この新春も過去最大の会勢で迎えることができたのですが、皆さんもお気づきの様に今期は潮目の変化を感じます。
1)入会者数の鈍化と退会者数の増加 
2)10年振りに届かなかったオール兵庫の参加者登録 
3)各支部・委員会 兵庫全体で起こっている役員候補者の減少等々。様々な活動の局面で変化を感じ、同時にそこから浮かび上がる兵庫同友会の課題も見えてきました。
潮目変化の最も大きな要因はここ数年に起こっている経営環境の劇的な転換ではないでしょうか。
①円安を機に原材料・人件費・金利の高騰など全面的コスト・プッシュ要因。
②人口減少からの構造的に起こる採用難。③各組織・個人が自身を守る為に行った自粛行動から起こる、著しく抑えられた消費意欲(合成の誤謬)。
④天変地変・異常気象等。『コロナ禍が落ち着けば元に戻るだろう』との甘い認識は残酷なまでに覆されました。

あたかも落としたボールが元の位置に戻ろうとするのではなく、全く違う方向に跳ねてしまったかの様相です。この認識と、実際に起こった現実とのギャップを埋める方策は、価格転嫁と商品・サービス力強化を行い利益を確保することですが、あまりにもギャップが大きい為、現段階では各社の経営力により大きな差が生まれ小規模・零細企業ほどダメージが大きくなっています。難しい環境
の中、経営を維持し発展させようと各社で取り組む努力だけでなく、同じ課題を抱える同友会の仲間との切磋琢磨が未来を切り開く鍵となってきます。今こそ同友会を
最大限に活用すべき時です。
従来の延長線上の経営では利益が減少するだけでなく、赤字になってしまう可能性があります。経営の前提が大きく変わってしまった(ゲームチェンジ)時代に適応し、自社の経営基盤を根底から見直し、大きく変化させていく必要があります。(マネジメント・チェンジ)
『企業づくり』『同友会づくり』においてもこの視点からの活動が求められます。一般社団法人としての1年目、経営労働委員会で『小規模向け経営指針成文化セミナー』、企業価値創造研究会でも、『スモールビジネス・グローアップ・ワークショップ』『事業承継研究会』が始まりました。小規模企業等の経営課題に正面から取り組む意欲的な試みです。外部連携委員会での信用金庫との連携は尼崎信用金庫を加え9庫となり、大学は甲南大学との協定により4校となっています。それぞれ『勉強会』
『寄付講座』『インターンシップ』など基盤づくりが進んでいます。これらの取組は近い将来大きく成長するコンテンツとなります。2026年の総会で発表される同友会づくりの土台となる『ビジョン2030』注)では、兵庫同友会の大きなチェンジがテーマになりそうです。その為、通常1年の準備期間を2年間設け、今期から検討を始め、理事会で経過報告を重ね本年は本格化して行きます。
冒頭に掲げた、乙巳の意味合いにあるように、今の努力があなたの企業と同友会の未来を作ります。同友会には、先人たちが歴史の中で生みだし、育ててきた価値観があります。その一つが、『労使見解』であり、企業成長の原動力として 第一に経営者が経営姿勢を確立すること。第二に経営指針の成文化と全社的実践。第三、第四と続き、『21世紀型中小企業づくり』への道標としています。『経営者である以上、いかに環境が厳しくとも、時代の変化に対応して、経営を維持し発展させる責任があります。』と宣言しています。
大きな変化が求められる際、大切なことは『初めに戻り、元に返る』ことです。今求められているのは変化の前に改めて『我々の経営姿勢』を問い直すことです。経営者としての自覚、責任を果たす為の自己変革、価値観・人生観の再確認など当たり前すぎて見過ごしがちな原点です。年の初めに、自社の未来を見据え、その出発点となる 『経営姿勢』について再確認して下さい。大きな変化が続く環境の中、思いを新たに企業づくり・同友会づくりに挑戦していきましょう。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

注) 兵庫同友会のビジョン第1号である『ビジョン1995』は1990年度の総会で発表。『ビジョン2000』も1995年度の総会での発表を予定していたが、阪神淡路大震災の影響で1年延ばし、1996年度総会での発表となった。それ以降ビジョンの発表は以5年毎(直近で2021年、次回2026年)となっている。