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成果に影響を与えるというマインドセットとはどういう意味でしょうか。マインドセットの使い方やマインドセットの変え方の方法を教えてください。

投稿者:(株)経営人事教育システム 下山学(神戸中央支部所属)

マインドセットとは、これまでの経験や教育、先入観から作られる思考パターンや固定化された考え方のことです。

 

近年では、知識・スキルよりも、マインドセットがポジティブであるか否かが、ビジネスの成果に大きな影響を与えると言われています。

 

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2種類の型があるマインドセット

マインドセットには「しなやか型」と「硬直型」の2種類に分けられます。

 

しなやかマインドセット(グロースマインドセット)は「自分の能力は努力次第で成長させることができる」という考え方のことです。一方、硬直マインドセット(フィックストマインドセット)とは「能力はもともと決められており変わらない」という考え方を指します。もちろんビジネスにおいては、しなやかマインドセットが望ましいことは言うまでもありません。

 

ただし、多くの人はしなやかマインドセットと硬直マインドセットの両方を持っているともいわれてます。状況によってマインドセットが変わることもあれば、自分の意志でマインドセットを変えることも可能だからです。

 

マインドセットを理解するには、まず自分自身のマインドセットの傾向を知ることが必要です。

 

しなやかマインドセットの人は、ミスをしても事実を受け止め問題解決に取り組みます。しかし、硬直マインドセットの人はミスから目をそらし、自己防衛する傾向があると言われています。

 

マインドセットは個人だけでなく企業や部署など、集団にも存在します。

 

企業理念、歴史、市場、商品特性、成功体験などにより企業も独自の価値観を保有しているのです。たとえばスピーディな判断、社員自身が自ら考えて動いていくスタンスのベンチャー企業と、トップダウンの指示のもと組織的に動く大手企業では、価値観や仕事の優先順位が異なってきます。

また、同じ企業内であっても、仕事の内容によってマインドセットも異なる場合が多くあります。

 

市場や顧客が変化すればそれに合わせたマインドセットが必要になります。しかし、人材の出入りが少ない集団ほどマインドセットは強固になる傾向があると言われています。

 

脳科学の分野では、人間は行動の95%を無意識に行っていると言われています。

 

これまでの経験や社会の常識に影響された、その人なりのマインドセットを持っているのです。

 

マインドセットを変えるための方法

 

良いマインドセットもありますが、中には自分の能力を規制しているマインドセットもあります。

 

そのためマインドセットは「変えられる」「広げられる」「選べる」と認識し、意識的にしなやか型マインドセットを獲得していくことが、人や企業の成長に必要になってきます。何かのきっかけで硬直マインドセットの人がしなやかマインドセットに変わると、これまで行動を抑制していたストッパーが外れ、大きな能力向上が見込めます。

 

一般的に、マインドセットを変えるには「知る→理解する→身につける」という3ステップを実現することで可能になります。

 

まずステップ1はマインドセットの存在を知ることです、そしてステップ2は自分のマインドセットを理解すること、最後にステップ3は必要なマインドセットを身につけることです。

 

マインドセットは、他人の体験に触発されたり、自分の気づきから変えることを選択したりと、ほんの小さなきっかけで変わる場合もあります。しかし、変わるスピードは個人差があります。一番大きな効果が期待できるのは実際に体験することですが、研修などによって正しい知識を身に着けることも効果的です。身に着けた知識を元に、日常業務の中でマインドセットを活用していくといいでしょう。

 

しなやかマインドセットの社員が増えれば社内は活性化し、チャレンジングな社風に変わっていきます。自分のマインドセットを認識することで、社員の潜在能力は開花していきます。ビジネスに必要なマインドセットは変えられるものだと認識し、実際の業務に活用していくことをおすすめします。

 

たとえば、部下育成は叱咤激励で十分だという信念を持っていたとしましょう。

しかし、叱咤激励では部下が育たない。そこで、褒めて伸ばすという手法を使ったところ、うまくいった。それが一回だけてはなく、ほとんどの場合、うまくいく。

そうなると、部下育成は褒めて伸ばすに限るという信念に変わっていくでしょう。

 

そのためには、褒めて伸ばすという行動をまずさせなければなりませんが、それはティーチングでも、コーチングでもいいと思います。

教科書的な回答ならコーチングですが、尊敬する、信頼する人の話なら、それを信じて人は行動しますので、尊敬されるような上司ならティーチングでも、諭すでもどちらでもいいと思います。